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「温泉のある生活」旅館社員がガイド 朝野家が温泉街ガイドツアー/湯村温泉

社員全員がジオガイド取得 湯村の魅力伝える

兵庫県湯村温泉の朝野家(朝野泰昌社長)は1月から、温泉街を案内する無料ガイドツアーを実施している。湯村温泉自体が山陰海岸ジオパークのひとつの要素「ジオサイト」となっており、ガイドも公認資格を取得した社員が担当。観光客にとっても旅館スタッフにとっても、ジオと地域の宝に深く触れられる一挙両得のツアーだ。

ツアーを企画したきっかけは貸切バスの料金改正によるバスツアーの大幅な減少。朝野社長は現状打破へ企画を模索するなか、バス料金が距離と時間の合算で算出することに着目、貸切バスやバスツアーに対し「早めに温泉地に入ってもらえればバス料金は安くなり、運転手も楽」と考えた。

そこで思いついたのが「湯村温泉=ジオサイト」の発想。「ジオの恵みである湯村温泉の温泉を中心とする地域コミュニティの場が残るという温泉生活文化を1人でも多くの人に知ってほしい」と考え、ツアーを企画した。朝野社長が先頭に立ち社員全員が公認ガイドの資格を取得。ガイドを務めることで社員が地域を深く学べるというメリットもある。

ジオガイドが案内するのは、地域住民が日々の生活のなかで利用している日常の温泉だ。温泉街のシンボル・荒湯はかつて地域住民の洗濯場であり、野菜を洗う台所だった。この荒湯を中心に半径400メートルが温泉街のエリアで、朝野社長によると「半径400メートルはTDLもUSJも同じ、行動心理学的には往復して800メートルという距離は歩きやすい距離」だという。そのなかで、各家庭が「マイ源泉」を持ち、各家庭の軒先には温泉水と水道水の蛇口がある―といった湯村温泉の生活を紹介しながらまちを楽しんでもらう。

朝野家

朝野社長自らもガイドを務め、
まちを奥深くめぐる

ツアーは現在まで約100組3500人が利用。朝野社長は「温泉力こそ地域の財産」と、ツアーに磨きをかけていく考えだ。

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