まちのど真ん中に観光を据える 上天草「新春初夢鼎談」(1)
エリア連携で魅力発信
―市長就任から1カ月あまり、観光行政の抱負をお聞かせください。
堀江 就任から間がなく整理できていない部分もありますが、地方創生の中で自分たちで総合戦略を作り、その戦略を元に国も支援するという流れは意識しています。それは自治体のポテンシャル、底力を試されているということです。その時に上天草の地域経済をどう活性化させるかを考えると、やはり観光産業は外せない。
天草五橋の開通50周年を控え、隣の天草市や宇城市にはキリスト教関連、産業革命遺産で近い将来世界遺産も誕生します。その狭間にある上天草が今後、観光産業を基幹産業として生き残っていくためには、それらをひっくるめて新しい周遊ルートなどを考えていかないといけません。うちは宿泊施設の数、質が周りの自治体に比べて優位性があり、そのメリットを生かしていろんなアイデア、企画を観光協会と協議して造り、交流人口を伸ばしたいと考えています。
―上天草の交流人口、観光の現状は。
千原 入込客数は年間136万人前後で推移し、宿泊客数は24万人、日帰り客が112万人です。宿泊客数のうち外国人は平成23年の305人が25年には825人になり、オルレ認定から韓国を中心に増えています。
観光資源については、イルカウォッチングを中心としたマリンレジャーやマリンスポーツ。オルレに代表される低山ながらも景観が素晴らしいトレッキング。じゃらんの全国温泉地満足度ランキングの秘湯部門で第7位になった上天草温泉郷も魅力です。そして有明海、不知火海の海の幸、天草大王や天草梅肉ポーク、黒毛和牛など近年生産されるようになった美味しい肉も楽しみの一つです。近年はスポーツ合宿も増え、宿泊施設がハイクラスから民宿までバリエーションがあり、温暖な気候も増加の要因になっています。
―九州オルレは単独のまちで2つコースあるのは上天草だけですね。
千原 天草のオルレコースは、主要市場の韓国からアクセス面でハンディがあると思います。そのハンディを補うため、昨年2月に済州島から料理人にお越しいただいて維和島地区と松島地区に本場のキムチとチジミを伝授してもらいました。それを一つの産業と捉えて、維和島、松島を歩くお客様に提供し販売できるシステムを構築していきたいと思っています。
→まちのど真ん中に観光を据える 上天草「新春初夢鼎談」(2)に続く