幸せ祈る流しびな 鳥取市用瀬町
13/02/14
古き良き風習が春を運ぶ
古きよき風習を受け継ぎ、日本の懐かしさを感じさせてくれるのが、鳥取市用瀬町の雛祭り「流しびな」。江戸時代から続く伝統行事が自然豊かなまちに春の訪れと一年の幸せを届けてくれる。
「流しびな」は毎年、旧暦の3月3日に行われるもので、今年は4月12日に開催。県無形民俗文化財にも指定されている、用瀬が誇る民俗行事だ。
男女1対の紙雛を、わらを円状に編んだ「桟俵」に乗せ、菱餅や桃の枝とともに千代川に流す。雛には無病息災や1年間幸せに暮らせるようにとの願いを込める。もともとは紙で作った人形で体をなで、災いを人形にうつして川に流すという行事から生まれたという。時代は変わっても、幸せを祈る気持ちは変わらない。そんな思いを体現する風習は、清らかな空気が漂うまちに春の情緒も演出する。
ひな流しは、「流しびな」の資料館「流しびなの館」の対岸から。幼児や地元の人が行い、艶やかな着物に身を包んだ女の子の姿が趣き深い。観光客も流しびなを購入すれば11―14時に体験できる。
当日はそのほか、雛祭りにちなんだ多彩な行事が催される。流しびなの製作実演や、「流しびな踊り」も披露されるなど雛祭りムード一色。町内の民家では雛飾りの公開もあり、スタンプラリーも設定されている。古い雛人形に感謝しおはらいを行う「お焚きあげ」神事も見逃せない。
当日はJR・智頭急行の特急「スーパーはくと」「スーパーいなば」が用瀬駅に臨時停車。岡山・関西方面からのアクセスも至便になる。
問い合わせは、用瀬流しびな実行委員会 電話0858―87―3222。
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