本場のカニを心ゆくまで(2) 鳥取
12/11/19
カニ好きのまち・鳥取
(→本場のカニを心ゆくまで(1) 但馬浜坂から続く) 一方、鳥取県は全国トップクラスのカニ消費量を誇る「カニ好きのまち」。県では11月の第4土曜日を「松葉ガニの日」と制定しており、カニが生活に根付いている。鳥取市の鳥取港(賀露港)、岩美町の網代港、田後港、境港市の境港などで水揚げされたカニは、底ひき網漁で早朝に水揚げされ、新鮮そのもの。甲羅の幅が11センチ以上で良質のものだけを選別したブランド「とっとり松葉ガニ」は、奮発する価値がある美味さを備える。
カニすき・ゆで・焼き…美味さを語れば止まらない
その松葉ガニの美味さは弾むような弾力を持つ白い身、カニならではの濃厚なコクととろけるような甘みに凝縮される。甲羅の朱色を見れば食欲は最高潮に。そしてジューシーなカニの身を一心不乱に殻からとり、口の中で美味さを弾けさせる―。想像しただけでもノドが鳴る。この美味さは新鮮だからこそ、食欲は現地だからこそ最大限にまで膨らむのだ。
素材の良さが松葉ガニの魅力のため、調理はシンプルでいい。ゆで、焼き、蒸しでカニ本来の味を堪能。皆でつついて楽しむカニすきはやっぱり王道だ。食べるのに必死になって無口になるのはご愛嬌。カニ味噌や甲羅酒、カニの天ぷらなどオプションが彩りを添える。そして旨味が凝縮された雑炊でしめれば、この世の天国が訪れる。
漁が終了となる3月ごろまで、浜坂からは湯村温泉、鳥取県各港からは三朝温泉の旅館ホテルや食事施設ではフルコースがラインナップ。カニのすべてを味わい尽くして、温泉、宿泊と至福のひと時を過ごすのが今年の冬も“トレンド”だ。