自然の恵み生かした味 ご当地グルメを食べ歩く
11/04/14
自然豊かな丹波・若狭では、食の面でもその恵みを受けている。地域ならではの食材と知恵を生かした味覚をどうぞ。
地域を「まるごと」食べる ここにしかない味を
篠山市で注目したいのが「篠山まるごと丼」。昨年開かれた市のご当地グルメグランプリの入賞メニューをアレンジしたもので、篠山産のコシヒカリ、肉、根菜類、山の芋を使うという条件を満たせば「まるごと丼」と認定される。味付けは各店オリジナルで、肉も篠山牛や猪、鹿など多彩なラインナップ。肉の旨味とタレ、とろろが混ざり合った独特の食感と風味はこの地ならではだ。
すでに提供している食事処もあり、今後約30店が参加する見込みという。関係者が「秋冬のぼたん鍋に匹敵する存在に」と期待を寄せる篠山の秘密兵器は4月から本格的にPRが始め、B級グルメ戦線に参戦する。
若狭の郷土の味といえば海の幸だろう。なかでも生活の知恵を生かした食文化は、地域を深く知る上では欠かせない。
「へしこ」はサバを1-2週間塩漬けにした後、さらに1-2年ぬか漬けにした、若狭を代表する特産品。保存食として家庭でも作られてきたもので、塩辛さと熟成された独特の旨味を持つ。ごはんやお茶漬けに、軽くあぶって酒のおともにもってこいの若狭人の心の友だ。
若狭を訪れると、サバ一匹を串に差し、まるごと焼き上げた「浜焼き鯖」が並ぶ風景が目にとまる。外はカラッと焼きあがっているが、中身はジューシー。豪快にかぶりつくと、香ばしさと濃厚な脂味が口の中に広がる。