川に親しみ、海で遊ぶ 水をめぐる
山は緑に、海は青に輝きを増す春夏は、自然の恵みを体感するには最適な季節。なかでも「水」は涼やかさと癒しを与え、丹波・若狭には渓谷や海といった親水の魅力が充実している。トレッキングなどで水の恵みを全身で浴びよう。
緑の中で触れる水 親水スポットで心身に癒しを
丹波市は渓谷、滝の宝庫。独鈷(どっこ)の滝は断層崖や洞窟が連なる渓谷に流れる落差18メートルの一条の滝。弘法大師が仏具を投げ、突き刺さったところからこの滝が流れだしたという伝説や、洞窟にまつられた不動明王など、霊験あらたか。サワガニや様々な植生など見どころは豊富だ。
日ヶ奥渓谷は、森林の中に巨岩や奇岩の間を清流が流れ、小滝が点在。落差8メートルだが水量と優雅さが魅力の浄丸の滝など、涼をとるにはもってこいのスポットが市内に数多い。奇岩と桜や紅葉に染まる木々、吊り橋の風景が美しい川代渓谷などの名所もあり、水に思う存分触れ合おう。
福知山市では、酒呑童子伝説で知られる大江山の二瀬川渓流がおすすめ。新緑や紅葉など季節の彩りのなか、奇岩を縫うように流れる清流は涼やかさを演出する。遊歩道も整備されており、のんびりと歩こう。綾部市の上林川で6―7月に見られるホタルの乱舞、8つの滝が見どころの篠山市の筱見四十八滝も通好みの親水スポットだ。
若狭に繰り出すと海。若狭・小浜湾のリアス式海岸は特有の風光明媚な景観を生み出した。小浜市の蘇洞門(そとも)は、花こう岩が方状節理にそって海食されてできた奇岩や洞窟、断崖から流れる滝などが約6キロも続く。船が通れるくらいの洞門もあり、遊覧船でその豪壮な自然の造形美を間近で眺められる。高浜町には高さ約260メートルの大絶壁・音海の断崖もあり、日本海の雄大な眺めは、渓谷とはまた違った趣きに満ちている。
夏場といえば海水浴も忘れてはならない。高浜町には遠浅で白砂青松、おおい町には小浜湾の穏やかな波と風が魅力の海水浴場が点在しており、シーズンには家族連れを中心に賑わいをみせる。
水を眺め、水に触れ、そして周囲の自然を体感する。春夏は丹波・若狭で、エコで癒しの旅を楽しみたい。