古代史の奥底に迫る「一支国博物館」 遺跡も展示の一部
コミカルなミニチュア人形模型は必見
一支国(いきこく)博物館は、2010年3月にオープン。弥生時代の重要な集落跡で国指定特別史跡でもある原の辻遺跡を展示の一部として取り入れた博物館で、遺跡の復元整備と連動している。
原の辻遺跡を一望できる高台に建つ同館は、自然に溶け込む外観で、展望台がある4階から下の階は見えないよう自然景観を重視。4階の屋根も波打ったような形状にしたほか天然芝を敷き詰めるなど、自然に溶け込むよう配慮した。
中国の歴史書「魏志倭人伝」に唯一、王都「一支国」と記されていることから、「『魏志』倭人伝の世界」ゾーンでは魏志倭人伝に描かれた一支国と弥生時代の国々についてわかりやすく解説している。
「通史ゾーン」では海の交流をテーマに壱岐の歴史を実物資料と絵巻で、「古墳ゾーン」では床下再現模型とCG映像で古墳時代をそれぞれ紹介している。「シルクロード・ビューシアター」では、一支国の海外との交流と原の辻遺跡の原風景をリンクさせ、映像で楽しめるようにした。
長崎県埋蔵文化財センターを併設し、もし仮に展示物が破損することがあっても修復可能なことから、館内で展示している土器などを直接触ることも。県下で発掘された埋蔵品の収蔵庫や復元作業をガラス越しに見ることもできる。
館内で最もユニークなゾーンが「一支国トピック」。弥生時代の一支国の姿を7つのシーンにわたり、ジオラマミニチュア模型で再現している。一支国の様々な暮らしのシーンを伝えるコミカルなジオラマに思わず見入ってしまうだろう。
同館から一望できる「原の辻一支国王都復元公園」は、「一支国トピック」で再現されたシーンの建物がそのまま復元されており、当時の生活を体感できる。原の辻遺跡周辺には、烏帽子橋石や大塚山古墳、船着き場跡、安国寺、玉主賣(たまぬしめ)の墓があり、散策ガイドが案内してくれる。
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