観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

世界が注目、上高地を歩く(2) 欧州アルプスと異なる魅力に満足

「コンパクトなエリアにピークがたくさん」

開山祭が終わり、いつものように明神まで歩きはじめてすぐ、小梨平で樽酒のそばに陣取った3人の若い外国人男性と会った。日本人ハイカーと酒をつぎあい、なにやら会話も楽しそうだ。

「2日前に雪の富士山にアイゼンで登ってきたんだ。5合目から、登りは5時間、下りは2時間かかった。昨日の夜、上高地に着いたんだけど、泊まるところがなくて、ビジターセンターの屋根の下で寝たんだよ。ものすごく寒くて大変だった」

弾ける笑顔で語る3人はベルギーからの旅行者で、やっていることはかなりアドベンチャーな感じ。開山祭前夜の上高地は大雨と強風、気温も低く標高2500メートルから上は新雪を被っていた。

上高地

ベルギーからの若者3人組。
信州の地酒「アルプス正宗」にご満悦

ヨーロッパには雄大なアルプスがあるけど、上高地のことはとても気に入っていた。

「河童橋周辺が白、茶、青、緑、赤とカラフルな景色がとてもきれい。ヨーロッパアルプスと違って、コンパクトなエリアにピークがたくさんあるのも面白い」

このあとは東京ビッグサイトで開かれている東京ホビーショーを見に行くそう。いろんな趣味を持っているんだろう。

小梨平を抜けて梓川左岸の遊歩道で明神を目指す。すれ違うハイカーとあいさつを交わしながら明神までは40分ほど。歩いている人も、半数は外国人。彼らも「こんにちは」と、あいさつを楽しんでいるよう。明神館を左に折れて、梓川の吊り橋を渡って明神池に行く。拝観料を払い、久しぶりに園内に入ったのがよかった。澄んだ池と池越しの明神岳。池、山とも江戸時代から信仰の対象であり、静かで厳かな雰囲気すら感じた。

明神池

明神池にも多くのハイカーが立ち寄る

三々五々、写真を取り10分ほどで見学を終え去っていく日本人ハイカーが多いなか、岩に腰掛け長い時間を過ごしていそうな外国人カップルがいた。当たり前だけど、インスタグラムへの投稿を目的に旅行をしている人ばかりじゃない。

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