桜が彩る歴史と地域の一体感 長野・木曽
木曽義仲と桜 御嶽山麓のまちに春が来る
木曽町は雄大な御嶽山の麓に抱かれたまち。2014年9月の噴火から1年半が過ぎ、地域一体の観光復興への取り組みを続け、落ち着きを取り戻している。しかし、その道もまだ半ば。気候条件など様々な要因も重なり、完全に復興しているとは言い難く、観光関係者らは賑わいを取り戻すため懸命の努力を続けている。
入山規制は残るものの安全面は国や県、地元の連携で徹底がなされ、問題はない。今年も春を迎え、「日本で最も美しい村」連合に加盟認定された同町ならではの風土と自然が一層輝くシーズンが到来した。満開の桜に彩られた木曽町の春は、今まで以上にあたたかな光とともに旅人を包み込んでくれるはずだ。
木曽町の桜は地元の歴史とともに愛でよう。木曽が誇る英雄、平安―鎌倉の動乱期に活躍した木曽義仲ゆかりの地は桜の名所として親しまれているので、桜の季節こそ周遊に最適の季節。
中山道の宿場町・宮ノ越宿にある徳音寺は義仲と巴御前ら一族の菩提寺。4月下旬―5月上旬になると境内の桜が満開になる。例年、4月下旬には「義仲の里さくら祭り」が開かれ、慰霊の意を込めた木曽踊りや義仲火牛太鼓や郷土物産展などが催される。周辺の木曽川沿いの桜並木も桜を求めての散策にぴったり。義仲の生涯を伝える義仲館、平家追討の戦勝祈願をした旗挙八幡宮、巴御前の伝説が残る巴ヶ淵など義仲ゆかりのスポットも集積しているので、あわせて巡りたい。
木曽町の中心地・木曽福島は中山道・福島宿として栄えた宿場町。木曽氏の菩提寺である興禅寺には義仲お手植えの「時雨桜」の2代目があり、幽玄かつ鮮烈な春の美を伝えてくれる。4月中旬―下旬が見ごろで、夜間ライトアップもある。
木曽福島には宿場町特有の古い町並みが残る。福島関所、山村代官屋敷といった名所を訪ね、江戸時代の旅人に思いを馳せたい。木曽川沿いにせり出すように家屋が建ち並ぶ「崖屋造り」といったこの地ならではの光景も見どころだ。
春花紀行 旅のおすすめサイト
- 京都府旅行業協同組合【京都府】
- 大阪水上バス【大阪府】
- 木曽町観光協会【長野県】
- 南木曽町観光協会【長野県】