世界遺産・高野山「開創1200年」 10月から秋の特別公開
金堂、金剛峯寺御本尊や徳川家霊台も
世界遺産・高野山の開創1200年は今年の和歌山観光最大のトピックだった。旅行会社各社の春夏の旅行先伸び率ランキングでは軒並み上位にランクするなど国内旅行市場に大きな存在感を示した。最大のイベント・記念大法会は春のうちに幕を閉じたが、秋には全山が赤く色づく紅葉と、再びの特別公開で参拝客を出迎える。秋も盛り上がりが続く日本仏教の聖地で厳かな旅を―。
高野山の歴史は、弘法大師・空海が真言密教の道場として自然豊かな静寂の地、高野山に816年、金剛峰寺を創建、835年に宗教的瞑想「入定(にゅうじょう)」に入った。以来、僧侶の修行の場、人々の信仰のよりどころとして現代まで親しまれ続けている。
高野山の見どころは、根本大塔、金堂など19の建造物が建ち並ぶ壇上伽藍、弘法大師御廟や戦国武将の供養塔などがある奥之院という高野山の二大聖地をはじめ、高野山真言宗の総本山・金剛峰寺など聖地ならではのスケールの大きさ。九度山町から続く表参道・高野山町石道や岩出町の根来寺、田辺市の龍神温泉、串本町の橋杭岩など弘法大師ゆかりの地も和歌山県内に多く、高野山は和歌山観光の大きな柱としても存在感が大きい。

高野山・根本大塔。
秋も多くの参拝客が訪れる
今年の開創1200年記念事業は弘法大師への感謝を込めて大々的に開催。春には記念大法会のほか焼失した壇上伽藍の中門が172年ぶりに再建、公開されるなど一大行事が相次いだ。これに続き秋も特別公開が開かれ、注目度はまだまだ衰えない。
金堂の御本尊特別公開は10月1日―11月1日。現在の金堂は昭和9年に再建され、御本尊もそれにあわせ親刻されたもの。金堂は何度も焼失、再建を繰り返してきたが、これまで御本尊が開帳された記録は残っていないとされ、今回の特別公開は歴史的な瞬間となる。
金剛峯寺の御本尊も同期間に特別公開される。同寺持仏間に安置されている御本尊・弘法大師坐像の開帳は今春で16年ぶり。秋にも再びの開帳で貴重な機会を提供する。
そのほか、山内塔頭寺院では、西禅院で弘法大師作と伝えられる阿弥陀如来像や重森三玲作の庭園などを常時、蓮花院で11月30日まで徳川家康公・秀忠公尊像と家康公謁見の間を特別公開。重要文化財「徳川家霊台」の内部も10月31日―11月8日に公開される。
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