個性豊か「島遺産」 鳥羽4島に海と生きる風土訪ねて
15/07/10
漁村風景や海の伝統
2012年に鳥羽市では「鳥羽の島遺産100選」を選定。島民と共に鳥羽4島の魅力を守り、後世に伝えることが目的だ。
海と密接に関わり独自の島文化を育んできた神島、菅島、答志島、坂手島。4島の島の魅力やコースを紹介しよう。
まずは神島から。神島漁港を起点に島遺産を巡る4キロのコースは、細い路地や階段が入り込む漁村ならではの風景を楽しみながら高台にある八代(やつしろ)神社や神島灯台、監的哨跡など小説や映画でお馴染みの「潮騒」に登場するスポットを回る。島ではタコ飯を味わいたい。
菅島では「しろんご海道」と呼ばれる東側の自然歩道を歩きたい。大漁と海上安全を祈願するしろんご祭が開かれるしろんご浜、島の守護神を祀る白髭神社などを巡る。「日本の灯台50選」に選ばれ、現存するレンガ造りの灯台としては日本最大の菅島灯台もある。
答志島には戦国時代の武将・九鬼義隆の首塚と胴塚があり、水軍の将と言われた義隆の足跡を訪ねることができる。夫婦で参拝して雌雄のアワビを供えると美しい瞳の子どもが授かると言われる美多羅志神社がある。境内には「龍神さん」と呼ばれる龍の顔の形をした椎も。
坂手島は鳥羽本土からわずか600メートルという近場に位置しており、鳥羽マリンターミナルから船で10分。江戸川乱歩の妻、お隆(りゅう)さんの生家だった村万商店、340年以上にわたり神事が行われている若宮神社などを訪れたい。