鳥羽で過ごす「祝い旅」 温泉、食、文化で体感
15/07/10
禊湯から「祝い魚」まで独特の価値観
2013年の神宮式年遷宮は1420万人という過去最高の参拝者を記録し、伊勢志摩の広域観光に大きな影響を与えた。遷宮効果が落ち着いたなか、今年1月には三重県の無形民俗文化財として「鳥羽・志摩の海女による伝統的素潜り漁技術」が指定を受け、海女文化を再評価。来年16年は伊勢志摩国立公園が70周年、伊勢志摩サミットの開催など伊勢志摩の話題は事欠かない。
そういった動きに対して鳥羽市観光協会や鳥羽市温泉振興会では、特別な時を鳥羽温泉郷で過ごす意義を「祝い旅」として鳥羽市内での入浴や食を関連づけてアピール。
入浴は禊湯(みそぎゆ)とし、特に旅館ホテルに泊まった朝に入浴することを朝の禊湯と位置づけた。新しい自分に還り、新たなスタートを切るという鳥羽温泉郷ならではの温泉入浴の価値観を造り出した。禊を終えて伊勢神宮、鳥羽周辺のパワースポットを参拝して回るというものだ。
食に関しては鳥羽特産のアワビや伊勢エビ、タイを各旅館ホテルが素材を活かした本物の料理「日本の祝い魚」として提供するほか、神事の最後にお神酒や神餞をいただく直会(なおらい)をイメージ。
また鳥羽で採れるワカメやアオサなど7つの海藻をめでたい「七草」になぞらえ、「真珠の海七草」として出している。
このほか旅館ホテル以外では、本物の海女と過ごして囲炉裏で炭火焼された魚介類を味わう海女小屋体験も行っている。
鳥羽市温泉振興会では、観光客に対して祝い魚や禊湯、パワースポットなどに触れて「鳥羽にお越しいただいたお客様がそれぞれ『鳥羽であなたの旅物語』を見つけて、お楽しみください」と話している。