蜷川実花×道後温泉「道後アート2015」(1) 現代芸術と古湯の融合
「最古にして、最先端。」
日本最古の温泉にアートの風、再び―。愛媛県道後温泉でアートプロジェクト「蜷川実花×道後温泉 道後アート2015」が展開されている。14年に道後温泉本館の改築120年を記念して開いた「道後オンセナート」を継承。今年は写真家の蜷川実花さんをメーンアーティストに、温泉街一帯や旅館ホテルを舞台にアート企画を散りばめ、現代アートと古湯の伝統との融合で道後の新たな魅力を発信する。
「道後アート」は、昨年の「道後オンセナート」が好評だったことから、地元から開催の継続を求める声が上がり、実施を決定。「最古にして、最先端。」をテーマに、アートによる新しい温泉エンターテインメントの創出によるまちの回遊性向上という趣旨を引き継ぎ、今年も様々なアート展示とイベントで温泉街を彩る。イベントのブランディングコンセプトも昨年同様「アートにのぼせろ」。
メーンアーティストの蜷川さんは写真家に加え映画監督も務めるなど幅広く活動。「道後アート」に携わることに関して「私の写真をきっかけにして、道後温泉の奥深さやまちの魅力を感じていただけるような機会があることも期待しています」とコメントし、写真作品はもちろん空間芸術や記念グッズなど多くの作品を披露している。
会期は5月1日にスタートしており、16年2月29日までの10カ月間。作品・企画は期間中3回に分けてオープンする形式で、第1弾が5月1日、第2弾が7月18日にすでに公開されている。第3弾は10月。作品は期間中継続して公開される。
これまでも多くの蜷川さんの作品が公開されてきたが、10月からの第3弾では、「道後温泉本館インスタレーション」を実施。蜷川さん撮影の花の写真が北・西側の障子と西側のガラスに設置され、南側3階では夜間に映像作品も投影する。昼と夜で異なった表情を見せる本館の姿は必見だ。
また、花の鮮やかさが際立つ「道後アート」のメーンビジュアルと、人気セレクトショップ「BEAMS」のコラボエコバッグも登場。浴衣の貸出利用やイベント参加者に配布される。
そのほか、昨年注目を集めた旅館ホテル客室そのものがアート作品となる「HOTEL HORIZONTAL」も継続実施。椿の湯壁面のリリアン・ブルジェア氏の彫刻「FABULA―寓話」、ホテル椿館1階ロビーの川瀬浩介氏の光と音の演出「LASTing WAVE」、道後温泉冠山事務所壁面のスティーヴン・ムシン氏の大影絵「People’s Projections」といった作品も引き続き展示されている。
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