上天草の料理はA級の時代へ
「A」にまつわる旅を天草で
各地では昨今、B級グルメで盛り上がっている。地元の食材を使い、オリジナル色溢れる料理を提供することは地域活性化にもつながる。とても良い風潮だ。
なかには地元の食材ではない素材を使っているものもあるらしいが、昔からそうして地元で食べているのであれば、今さらとやかく言うものではないように思う。
しかし、地元の食材が高級食材、いわゆる「A級」の食材であるにもかかわらず、今流行っているからといって、わざわざB級グルメという呼称にこだわる必要はない。
天草は、さくら鯛・車エビ・黄金ハモ・伊勢海老・とらふぐ・天草大王などA級の食材が溢れている。それだけに流行には乗らず、「A級」にこだわった「A級グルメ」を打ち出すべきだ、と思っていたら、天草の旅館・飲食店がA級の素材を使った「A級グルメフェア」と銘打ったプランの販売を始めた。
いくら天草の食材が高級だといっても安物ツアーであれば「高級食材」は出せない。料金が安いからといってどこにでもあるような料理を出していては、天草の食材の良さをお客にわかってもらえないばかりか、B級グルメより格下げの「C級グルメの天草」になってしまう。
これからは間違いなくA級の時代、すなわち本物の時代がやってくる。いや、すでに本物の時代に入っている。B級やC級の世界にいるからわからないだけだ。そういった意味で「A級グルメフェア」は、今の格安ツアーに流れている風潮から脱却する重要な役割を果たすのではないだろうか。
低価格ばかりで受けていると旅館だけでなく地域そのものの格を下げ、破たんする。多少料金は高くても誇れるものを自信を持って提供する方が地域全体の質や格を上げるのは間違いない。
天草には「A級の食材」、AMAKUSAの「A」、JR「A列車でいこう!」という3つの「A」がある。この「A」に関わる旅を「トリプルAの旅」として販売されることを提案したい。もう少し足を伸ばして「阿蘇」の「A」を加えれば、さらに広がりが増す。
とにかく、A級グルメと遭遇確率98%のイルカウオッチングをはじめ、本物の観光素材で訪れる人を魅了してくれる天草にぜひ一度訪れて、本物のA級の良さを体感してほしい。
(九観連大阪事務所 長冨彩)