高質な宿に泊まる(3) 箱根宮ノ下・芦ノ湖桃源台
富士屋ホテル 輝き増す老舗ホテル
今年本館が120周年を迎えた富士屋ホテル(148室・定員310人)。著名人に愛され続けた老舗ホテルならではの魅力は、時間とともに輝きを増すばかりだ。
今から133年前の1878年、日本初の本格的なリゾートホテルとして開業した。日本最古のホテルであり、日本のホテルの歴史はここから始まった。外国人を受け入れられるホテルをめざし、宿泊者にはヘレンケラー、チャーリー・チャップリン、アイゼンハワー、孫文、小泉八雲をはじめ多くの著名人がキラ星のごとく名を連ねる。
120年来の箱根のシンボルには宿泊、食事、パーティーと多くの人が訪れる。人目をひく外観に思わず車を駐車場に入れてしまう旅行者も多い。
外観のみならず、庭園や伝統と歴史に彩られた館内にも見どころは豊富。絵画、彫刻、照明、天井それぞれに逸話が残る。資料展示室もあり、毎日宿泊者を対象にした館内ガイドツアーも行われている。
この秋から地産地消カフェプロジェクトとして、地元産の食材を使った箱根富士屋バーガーを期間限定で提供。箱根山麓牛と山麓豚を合い挽きしたパテと、鎌倉ハムによる富士屋ホテル専用のベーコン、小田原の小農家から仕入れた新鮮な野菜を自家製バンズで挟んだ。価格は2600円。
箱根吟遊 2人で過ごすリゾート
玄関が5階にあり、斜面に沿って4階、3階と下がっていく構造のため、入口からは建物のごく一部しか見えない。そのせいばかりではなく、この宿は、外からはほとんどなにもわからない。
宮ノ下温泉の箱根吟遊(20室・定員72人)。玄関に上がると、パンフレットの写真そのままに、正面の山を広いガラス窓で切り取った静かな風景があり、「これか」とにやりとさせられる。ただし、ここまでは想定内。
ラウンジまでの途中でオープンテラスを通る。ドアを開けると、冷気と一緒に谷底を流れる早川の川音が突然やってきた。眼下は早川渓谷、渓谷を挟んだ正面は箱根連山、箱根の自然の中にいることを一瞬で実感させる見事な演出だと思った。
アジアンテイストのラウンジで、大きな水槽の配置に驚きながら、奥にあるカウンターバーに席を取る。カウンタースタイルはいい。飲み物を出してくれた人がずっと目の前にいてくれるから。ちょっと話しかけてみた。ここまでで、もうずいぶん楽しませてもらった。
客室は広さが65―100平方メートル。全室に露天風呂が付き、大浴場も含め、かけ流しで利用する。
夫婦やカップルでの利用が多いが、けっして「客室完結型」ではいない。先に寝てしまった1人を部屋に残して、大浴場にもう1度浸かる、ラウンジでくつろぐ、バーで会話する。この宿では、そんな過ごし方も楽しい。
箱根高原ホテル 合宿や研修施設充実
芦ノ湖桃源台から徒歩7分のロケーション。豊かな箱根の自然が大切に保護されている湖尻桃源台に、箱根高原ホテル(62室・定員329人)はある。芦ノ湖観光の拠点として、箱根ロープウェーを利用した観光の出発点にもなる。
周辺には遊歩道や散策道も多く、ハイキングや散歩、登山の拠点としても、たいへん便利な立地だ。ホテル所有のオリエンテーリングコースもあり、立地を活用したアクティブな利用にも対応できる。
大浴場はカルシウム・ナトリウム・マグネシウム―硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉、野天風呂に弱アルカリ単純泉。2本の自家源泉を持ち、2種類の泉質を楽しめる温泉自慢の宿でもある。
特に大浴場の温泉には炭酸と鉄分が含まれており、貴重な泉質と専門家のお墨付きを得ている。
客室は全室和室で、自然を堪能できるようウッドデッキ付きの部屋も用意している。ホテル敷地内には、体育館と40人規模の会議室が10室あるレクチャーホールを所有しており、合宿や研修など多目的な利用も可能。
箱根の四季を感じられる環境と、さまざまなニーズに対応できる施設は、箱根でも貴重な存在である。
箱根 旅のおすすめサイト
- 小田急ロマンスカー【新宿―箱根湯本】
- 箱根温泉旅館協同組合【箱根町】
- 箱根町観光協会観光交流センター【箱根町】
- 箱根仙石原観光協会【仙石原】
- 箱根仙石原温泉旅館組合【仙石原】
- 大涌谷観光センター【大涌谷】
- 箱根温泉供給【大涌谷】
- ホテル河鹿荘【湯本】
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- 仙郷楼【仙石原】
- ロッヂ富士見苑【仙石原】
- ホテルグリーンプラザ箱根【仙石原】
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- 箱根高原ホテル【芦ノ湖桃源台】
- 箱根マイセンアンティーク美術館【強羅】