東から西へ　和みの山陰海岸ジオパーク旅

12/11/22

海岸線を走れば「地球の息吹」

丹後半島・但馬は”地質の世界遺産”山陰海岸ジオパークの一部。地球が育んできた特異かつ風光明媚な風景は、雪舞う冬こそ独特の趣きに満ちる。海岸線を東から西へ車を走らせよう。

最東端、経ヶ岬の白亜の灯台からスタートし、柱状節理からなる岩島は高さ約20メートルの岩島・立岩を眺め、国の天然記念物・名勝・琴引浜へ。１・８キロにおよぶ砂浜は、歩けばキュキュッと音を立てる「鳴き砂」が一面に。その音色、砂の美しさは心を癒してくれる。

丹後半島の西端を目指すと夕日ヶ浦にさしかかる。夕陽百選の１つに選ばれた、奇岩の背後に落ちていく夕陽の幻想的な風景は心を和ませる。小天橋で久美浜湾の美しさを堪能すると、次は但馬地方へ足を踏み入れる。

豊岡市の玄武洞は、多角形の玄武岩の石柱が縦に横に斜めに並び、巨大な洞窟を形成。約１６０万年前の火山活動によってつくられたという圧倒的な存在感だ。

海岸線の但馬漁火ラインを西へ。竹野海岸一帯では白砂遠浅の竹野浜海水浴場、波の浸食でできた洞窟「淀の洞門」、海面から突き出た２本のロウソク状の礫岩の間に球状の礫岩が挟まる「はさかり岩」と見どころが連続する。

どうしてこうなった？
「はさかり岩」

香美町の香住海岸は洞窟や断崖、奇岩など表情豊か。今子浦はかえるの形をした巨岩「かえる島」がシンボル。奇岩と海が演出する夕陽の美しさも特筆ものだ。

香住海岸では「鎧の袖」の圧倒的な景観も見逃せない。幅約２００メートル、高さ約70メートル、斜度70度におよぶ断崖は美しささえも大迫力。「遊覧船かすみ丸」で海上から眺めれば、強大な地球のパワーにうなってしまう。

内陸部では神鍋高原へ。約２万年前に噴火した火山で、神鍋山の噴火口や溶岩流が生み出した渓谷など火山活動の跡を追うトレッキングが味わい深い。ジオツアーも実施しており、10月にはガイドが４人加わり、計６人に。参加して見識を深めたい。

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