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長野・南木曽 ミツバツツジと電力王

歴史に彩り木曽路の春

山々に囲まれた長野県木曽地方にも春がやってくる。咲き誇る花々が地域に彩りを灯し、春の喜びを実感させてくれる。春と地域の風土を味わう木曽の旅へ―。

南木曽町では木曽川の西岸に続く川西古道を訪ねたい。大正期建造の日本最大級の木製吊橋「桃介橋」から滝めぐりの名所・柿其渓谷、JR野尻駅に続く道で、橋がまだ架かっていない時代の生活道。残された建造物や自然に明治・大正の空気感が息づいている。

この地に春を伝えるのはミツバツツジ。木曽川畔の天白(てんぱく)公園に群生するミツバツツジは6種類400株におよび、4月中旬に開花の旬を迎える。葉よりも先に花をつけ、まだ寒々しい山に春一番の桃色の彩りを与える。

ミツバツツジ

天白公園のミツバツツジを愛でる

毎年恒例「なぎそミツバツツジ祭り」は4月12―20日に開催。例年多くの観光客が訪れ、高台のミツバツツジの大群落を愛でる。園内にツツジや花桃の苗、地元産の農作物などを販売する売店や茶店が並び、賑わいも春一番だ。

開催時間は9―16時。駐車場はバス25台、普通車120台を収容でき、駐車料金はミツバツツジを守る環境整備協力金として大型バス1500円、マイクロバス800円、普通車300円。バスは事前に南木曽町観光協会 電話0264―57―2001まで要連絡。

花の次は南木曽の歴史文化。園内の「福沢桃介記念館」は木曽川の開発に尽力した明治―昭和初期の電力王福沢桃介の別荘を復元したもので、大正ロマン漂う西洋建築が見どころだ。妻籠宿本陣にあった御料局名古屋支庁妻籠出張所庁舎を移転、復元した「山の歴史館」も隣接している。

木曽川と国道19号をまたいで架かる近代化遺産・桃介橋も必見だ。桃介が水力発電開発のために架けた木製吊橋は近年復元され、その威容は存在感十分。同じく桃介が築いた読書発電所、柿其渓谷近くの柿其水路橋といった近代化遺産もめぐりたい。

桃介橋

桃介橋に歴史を感じたい

南木曽と言えば中山道の宿場町「妻籠宿」も欠かせない。全長800メートルの町並みに江戸期の家屋や復元した本陣などが立ち並び、往時にタイムスリップしたような感覚にさせてくれる。

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