大町舞台に北アルプス国際芸術祭 食とアートで魅力再発見
7月末まで開催
長野県大町市で6月4日、「北アルプス国際芸術祭2017」が始まった。見上げれば3000メートル級の北アルプスの山々、その麓に広がるまちには清廉な水と清澄な空気、そして温泉が湧出するという大町のフィールドを舞台にしたアートイベント。地域を歩けば出会える現代芸術と食、地域の融合に、観光客の心だけでなく、大町のまちにも新たな風が吹く。
同芸術祭は今回が初開催で、会期は7月30日までの57日間。「信濃大町 食とアートの廻廊」を副題に、地域の生活文化を表す「食」と、「アート」によって地域の魅力を再発見することで、大町の価値を見直し地域活性化につなげる。総合ディレクターは、「越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」を成功に導いた北川フラムさん。
メーンテーマは「水、木、土、空。」。北川さんは「扇状地をつなぐ廻廊から山々を見遥かし、青い天空を水場から仰ぐ試みです。国内外のアーティストは、南北の植物が混生し、日本列島を縦に貫く特徴ある地形、歴史に向き合い、鮮烈で爽やかなアート作品をつくりだすでしょう」と話している。
展示会場は源流、仁科三湖、市街地、東山、ダムの5エリアと広域に及ぶので宿泊してじっくりとめぐるのおすすめだ。川俣正さん、大岩オスカールさん、ニキータ・アレクセーエフさん、リー・クーチェさんなど多彩な現代アーティストが作品を提供。玄関口・信濃大町駅には原倫太郎と原游さんがインフォメーションセンターとギャラリーを舞台に「はじまりの庭」と題した作品を展開し、旅のスタートにふさわしい舞台を用意した。そのほかにもまちなか、緑、湖、さまざまなシーンに現代芸術作品が展開されている。
ダンサーの伊藤キムさんや、すでにライブは終了したがジャズ・ピアニストの山下洋輔さんも参加するなど舞踊、音楽の分野まで幅広い。7月15日には七倉ダムで歌手のおおたか静流さんと照明アーティストの藤本隆行さんのコラボイベントも開かれる。
作品鑑賞パスポートは一般2500円。
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