元箱根の見どころ 夏祭りや離宮・関所
伝統と自然がつくる夏の楽しみ
芦ノ湖畔元箱根には箱根神社、箱根関所跡、箱根駅伝ミュージアム、恩賜箱根公園など見どころが多い。
なかでも芦ノ湖の夏といえば7月31日から始まる芦ノ湖夏まつりウィーク。昔、芦ノ湖に棲み悪事を働く龍を箱根神社の開祖、万巻上人が調伏し、やがて地域の守り神になったと伝わる九頭竜伝説に基づいた湖水祭が行われるほか、8月5日まで毎日花火が打ち上げられる。真夏でも夜間の芦ノ湖湖畔は涼しい。例年、涼を求め、花火を楽しみに多くの観光客で賑わう。
元箱根の恩賜箱根公園は芦ノ湖に突き出した半島「塔ヶ島」全部が、神奈川県立の公園として整備されている。半島からは芦ノ湖や周りを囲む箱根外輪山、富士の峰を一望。そのロケーションから、明治期、宮内庁がここに「函根離宮」を建設し、皇族の避暑と外国からの賓客の滞在にあてた。
モダンな二階建ての西洋館と日本館を中心とした箱根離宮は1886年年に完成。しかし、1923年の関東大震災と、30年の北伊豆地震と続いた災害で倒壊し再建されることはなかった。
現在、恩賜箱根公園には、かつての離宮を思わせる「湖畔展望館」が建ち、館内には函根離宮の写真や資料が展示されている。2階バルコニーに立ち、当時の離宮からの眺めを想像するのも楽しい。展望館の正面には、旧離宮本館の礎石が残されている。
公園内を一周すると、手入れの行き届いた生け垣が美しく、四季折々に散策を楽しめる。初夏には箱根を代表する樹木であるヒメシャラの林が白い花を咲かせる。
隣接する箱根関所は、当時の資料を基に2007年に完全に復元された。箱根関所資料館には、象が関所を越えた話や関所破りの記録、関所日記などの古文書が展示してあり、箱根関所の歴史を学ぶことができる。
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