にいがた中越を極める旅(3) 長岡醸造文化と魚沼の石川雲蝶
14/02/06
新潟県旅館ホテル組合の招きで訪れた「中越を極める旅」の2日目。地酒の宿をたん能した割に、蓬平温泉のつるつるすべすべした湯に浸かった目覚めはいい。山里ならではのご飯の供で、朝から米どころの白飯をたくさんいただいた。
「問答無用の素晴らしさ」
長岡市の摂田屋という集落へ行く。山伏やお坊さんを接待したのが名の由来で、500メートル四方に6軒の醸造業が集積する。ガイドさんの案内で、歴史ある酒蔵や醤油蔵からほのかに香りが漂う中を旧三國街道沿いに歩く。酒蔵見学をした後、一際豪壮な建物へ。薬味酒で財を成した「機那サフラン酒本舗」で、蔵の鏝絵は極彩色で実に鮮やか。十二支が戸袋に描かれているが、唯一ない干支があるという。答えは現地でぜひ。添加物を一切使っていない醤油、味噌、酒など中越ならではの土産スポットでもあった。
関越道から八海山、巻機山など冠雪した名峰を望みながら魚沼地方に入る。幕末の彫刻家、石川雲蝶の作品が天井いっぱいを覆った西福寺・開山堂にお参りした。繊細かつ迫力ある彫刻に、参加者からも「すごい」。雲蝶をアピールする魚沼市のパンフレットに「問答無用の、素晴らしさ」と惹句されていたが、これまた百聞は一見にしかず。拝観料は300円。
ドライバーが気を利かせてくれたのか、バスの運転に不釣合いな狭い農道を通ってくれた。魚沼連峰山麓の扇状地に一面田んぼが広がる。かのブランド米、南魚沼産コシヒカリの田んぼだ。そこを抜けると、越後一の寺と言われる「雲洞庵」に着いた。1200年の歴史を持ち、直江兼続が修行した。「天地人」では、子役の加藤清史郎くんが入れさせられた寺だ。現在も曹洞宗の修行の場として、座禅体験をすることもできる。
(富本一幸)
→にいがた中越を極める旅(4) 五感全開で味わう地域の矜持に続く