こころ結ぶ東北観光博へ(1) 東北全域が博覧会場
東北地方を丸ごと博覧会場に見立てた「東北観光博」が開催されている。「こころを結び、出会いをつくる」をテーマに、28のモデルゾーンを設けて展開。旅のサロンや地元住民による観光案内、特典付きの東北パスポートなど、多彩な内容を用意した。期間は来年3月末まで。震災からの復興を観光の力で踏み出そう。
「観光面で支障はない」 地元関係者
東日本大震災から1年経った3月18日にスタートした「東北観光博」。東北全域を28の観光ゾーンに分け、集客拠点と位置づけている。
ゾーンごとに「旅のサロン」を1カ所ずつ開設し、地域の観光プログラムなどを紹介する旅のコンシェルジュ「地域観光案内人」が旅行者を案内する。旅のサロンでは観光施設などで割引や特典が受けられる「東北パスポート」を発行する。ゾーン内ではさらに観光案内所や観光施設を「旅の駅」とし、旅行者の案内拠点とするなど、東北各地の人と旅行者の接点を増やし、同博のテーマ「こころ、むすぶ」を促す。
観光博の情報はポータルサイトで一元的に発信している。旅行者の投稿を受け付け、その評価によって掲載情報の順位がアップする仕組みもつくった。
観光庁では、地域主体の持続的な観光客誘致の仕組みの構築に同博を位置づける。東北観光博ロゴマークなども旅行会社に積極的に使用するよう呼びかけている。
先に発表された東北の観光入り込み客数は今冬の段階で依然2割ほど前年比を割っている。今回紹介するゾーンでも「近県に関しては戻ってきているが、関東圏からの客足が非常に厳しい。風評被害はいまだ改善されていない」(天童温泉の旅館関係者)とし、秋保温泉の旅館では「私どもを含め県内の松島・塩釜ゾーン、白石・宮城蔵王ゾーン、大崎・鳴子ゾーンは復旧が完了し、観光面で支障をきたすことはない」としている。
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