信州で春の訪れ(1) 南木曽・妻籠宿
長野県各地では、春の訪れとともに花が咲き誇る。各地の花暦を調べて散策するのもいいが、今回は南木曽のミツバツツジや駒ヶ根のしだれ桜などを紹介する。花を愛でるだけでなく、その地ならではの文化や歴史もあわせて楽しんでみたい。
南木曽でミツバツツジが群生
木曽川畔の天白(てんぱく)公園では6種類400株のミツバツツジが群生しており、一面をピンク色に染める。見ごろになる4月14―22日の9日間は「なぎそミツバツツジ祭り」が開かれる。
天白公園は木曽路を貫く国道19号線から、木曽川を挟んだ対岸に位置し、園内には歴史的な建物や森林鉄道を保存。「福沢桃介記念館」は、明治から昭和初期にかけて電力王と称され、木曽川の開発に尽力した福沢桃介の別荘を復元している。
「山の歴史館」は、妻籠宿本陣にあった御料局名古屋支庁妻籠出張所庁舎を移転、復元したもの。明治期の建築様式がそのまま残り、木曽の林業や伝統工芸に関する資料、道具などが展示されている。2館セットの入場料は大人300円。
「なぎそミツバツツジ祭り」の期間中は、園内にツツジや花桃の苗、地元産の農作物などを販売する売店や茶店が出店。高台に群生するミツバツツジの大群落を観賞した後に立ち寄りたい。
祭りの開催時間は9―16時。駐車場にはバス25台、普通車40台を収容。駐車料金はミツバツツジを守る環境整備協力金として大型バス1500円、マイクロバス800円、普通車300円。バスで来場する場合は事前に南木曽町観光協会 電話0264―57―2001へ予約が必要。
また、南木曽町には江戸時代に定められた五街道の1つ中山道が残る。なかでも「妻籠宿」は町を代表する観光スポットで、全長800メートルの町並みには江戸時代の家屋などが立ち並び、江戸期の宿場町の情景が広がる。
宿場内には高札場や関所であった口留番所跡などのほか、江戸時代の間取り図を忠実に復元し1995年に建てられた本陣、島崎藤村ゆかりの脇本陣奥谷がある。本陣・歴史資料館と合わせた共通入館券は大人700円。妻籠と馬籠間では有料の荷物運搬サービスや宿場を案内してくれる案内人も。
問い合わせは妻籠観光協会 電話0264―57―3123。