出会いの長崎(2) グルメを味わう
長崎県は「異国情緒」など文化も個性的なら、食の面も個性的。豊かな自然環境を持ち、県内どこに行っても地域色豊かなグルメが待っている。県が3月までキャンペーンを展開しているように、長崎はまさに「食KING王国」。その豊かなラインナップを前にどう立ち向かうか、旅の思案のしどころだ。
郷土食からスイーツまで
まずは麺料理。長崎には多様な名物麺が存在する。
長崎市の「ちゃんぽん」「皿うどん」はいわずと知れた長崎郷土料理の代名詞。山海の幸たっぷりのボリュームに引き寄せられる人も多いだろう。ちゃんぽんは雲仙市小浜温泉でも名物料理だ。
南島原市は、雲仙の湧水で育む細く白い「素麺」が特産品。中国から初めてそばが伝来した対馬市の「対州そば」は。香りと風味豊かな逸品だ。五島列島で1千年以上も作り続けられている「五島うどん」も長崎の歴史に触れる上では欠かせない。
海に面する地域が多いことから魚介類の漁獲量は全国有数を誇る。新鮮で豊富な海の幸はこの地ならではの特権だ。
西海市の「さいかい丼」は旬の食材満載のオリジナル丼。春秋のフェアで登場し、今春は2月11日―4月30日に市内の食事処約20軒で。平戸市・松浦市はさすがに海のまち。4月までが旬のヒラメや4―8月のアジは締まった身が絶品。壱岐市も食材の宝庫で、春―秋は「壱岐ウニ」、春―夏のケンサキイカ「壱岐剣」がラインナップする。
ご当地グルメも触れないわけにはいかない。佐世保市の「佐世保バーガー」は全国的な"ご当地バーガーブーム"の先駆者。米海軍仕込みのボリュームは目を見張るばかり。長崎市の「トルコライス」はトンカツ、ドライカレー、スパゲティが定番の市民のソウルフード。大村市の「あま辛黒カレー」や島原市の「ジ・オむすび」など新しいグルメも続々登場しているが、島原市のサツマイモをうどん状にした「ろくべえ」など伝統食も地域文化に触れる旅では捨てがたい。
最後はスイーツ。長崎市のお土産の定番といえば「カステラ」だ。ポルトガルから伝来した卵と砂糖によるお菓子は、日本では長崎が本場。数々の店が独自のバリエーションで提供し、しのぎを削っている。もっと甘みを増したのが平戸市の「カスドース」。黄金色の南蛮菓子で、卵黄と糖蜜を使った濃厚な甘さにファンも多い。