夏・秋休みは昼神温泉郷(1) 温泉発着バスツアーで巡る"旬"
南信州・昼神温泉郷(長野県下伊那郡阿智村)の夏から秋にかけては、自然を楽しむイベントが盛りだくさん。日本のチロルと呼ばれる秘境を訪ねたり歴史を探訪するバスツアーも、温泉街を拠点に実施されている。夏休み、秋休みの滞在におすすめの昼神温泉郷の話題を紹介しよう。
日本のチロル・下栗の里を訪ねる
標高800―1100メートルの急斜面に民家や畑が点在する「下栗の里」。南アルプスを望む特異な景観から「日本のチロル」と称され、「にほんの里100選」にも選ばれている。
昼神温泉ガイドセンターでは今シーズンから、下栗の里を訪ねるバスツアーを始めた。昼神温泉発着の日帰りツアーで好評を得ている。
ツアーは「秘境・遠山郷ふるさとツアー」。遠山郷とは、長野県の最南端に位置し高山と渓谷が続く旧上村・南信濃村(現在は飯田市)の一帯。下栗の里のほか、全国的に珍しいナトリウム・カルシウム塩化物泉のかぐらの湯、遠山郷土館・和田城跡、しらびそ高原に立ち寄る。専属ガイドが同行し、秘境の旅を案内する。
遠山郷土館では、国の重要無形民俗文化財に指定されている「霜月まつり」の映像を見学できる。この祭のモチーフ、神々が湯治にやってくるというのは、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルになったと言われている。本番のまつりは12月に行われる。しらびそ高原は、南アルプスの聖岳や荒川岳など3千メートル級の山々を間近に望む。中央アルプスや北アルプスも展望できる。
当初7月末までの運行予定だったが、好評なため11月まで延長実施。毎週月曜日の8時30分に昼神温泉を出発し、14時15分に戻ってくる。代金は大人3980円、小学生以下1200円。昼食は、かぐらの湯で自由食になる。定員20人で、最少催行人員は10人。前日夕方までに、宿泊旅館のフロントまたは昼神温泉ガイドセンターに要予約。10人以上の団体の場合は、別曜日でも運行できる。
トウモロコシ狩りや天竜峡へも
昼神温泉ガイドセンターでは、遠山郷ふるさとツアーのほかにも温泉発着の半日バスツアーを実施している。季節ごとに行き先と内容を変えて、昼神温泉の旬の見どころを案内している。
8月中は、標高1200メートルに位置する阿智村浪合地区でトウモロコシ狩りを楽しむ「清涼のなみあい高原ツアー」を実施。温度差が大きい高原の気候ならではの甘いトウモロコシを収穫し試食するほか、治部坂高原の100万本のコスモスまたは平谷村の3千本のヒマワリ畑を見学する。料金は大人1800円、小学生以下500円。
9月には「秋の声を感じる飯田天竜峡ツアー」、10月には「ガイドと行く秋の木曽路ツアー」を行う。収穫期ならではの「産直アウトレットめぐり」、赤や黄に山々が染まる「紅葉巡りツアー」も秋の特別便として予定されている。いずれも前日17時45分までに旅館フロントかガイドセンターに予約が必要だ。