立山黒部・記念の春(1) 立山黒部アルペンルート
富山・立山黒部にいよいよ春がやってきた。4月16日の立山黒部アルペンルート全線開通で、本格的な観光シーズンが到来したが、今年はアルペンルートと黒部峡谷鉄道が40周年という記念のシーズンも幕を開ける。長きにわたり、癒しを与え続けてきた雄大な自然は春の新緑と残雪のコントラストから秋の紅葉まで、トレッキングやトロッコ電車に加え、記念イベントで魅力を増幅。今年の立山黒部は例年以上に輝きを放ち、訪れる人の心をつかんで離さない喜びに満ちている。
6月1日で全線開業40周年 記念イベント続々
立山黒部アルペンルートは富山県立山町と長野県大町市を結び、立山黒部の大自然を間近で堪能できる観光ルート。4月16日に電鉄富山―信濃大町間の全線開通で、観光シーズンが幕を開けた。
全線が開業したのは1971年6月1日。以降、立山トンネルトロリーバスの営業開始や新駅開業などの設備充実を経て、多くの人に立山黒部の大自然の魅力を伝え続けてきた。今年6月1日で40周年を迎える。
観光シーズンのオープニングを飾る「雪の大谷ウォーク」は、今年は5月31日まで開催。立山登山の基点、標高2450メートルの室堂に出現する高さ約20メートル超、コース長約500メートルにおよぶ雪壁「雪の大谷」を散策できる。豪雪地帯・立山ならではの雪の回廊は自然の造形美といえ、迫力は圧巻の一言。例年、待ちに待ったファンら10万人超が訪れる人気イベントだ。参加は無料。
4月30日までは富山県認定のナチュラリストによるガイドツアーや除雪車「熊太郎」の展示、5月8日までは立山連峰を一望できるパノラマロードも開放されるなど春の雪山を楽しむ素材に事欠かない。
最終日の5月31日には先着400人に特別通行記念証をプレゼント。3Dカードで、40年の年表も記載された記念版だ。
40周年記念イベントの中でも注目は、立山黒部アルペンルート広域観光圏が6月1―2日に開く立山トンネルのウオーキング企画。1泊2日で室堂―大観峰間を貫く立山トンネルを歩く。観光客が歩くのは初めてで、関係者からトンネル工事の秘話も聞けるなど貴重なイベントとなっている。定員は先着100人。
問い合わせは、同観光圏事務局 電話076―462―1001。
また、立山黒部貫光は記念企画として、ナチュラリストの案内による「立山の自然と歴史探訪」を7月23、24日に3コース、室堂からの「夏の立山登拝」を8月27、28日に実施。いずれも特典として40周年記念ロゴマーク入り手袋をプレゼントする。
問い合わせは、同社営業推進部 電話076―432―2819。
春―初夏は美女平の新緑、夏は立山を水面に映す室堂・みくりが池や高山植物、秋は大観峰の紅葉など見どころ豊富なアルペンルート。節目の今年こそ、この大自然の迫力に挑戦したい。