由布院温泉・輝きの源泉は「ありのまま」 大分県由布市(2)
13/01/22
JR由布院駅から田園地帯を駆ける辻馬車を操る佐藤宏信さんはUターン。車上からでも地元の人たちとやりとりしながら、由布院の"暮らし"の魅力を説く。箸造り体験の「箸屋一膳」の西原慎一郎さんは他地域出身だが、修行先の由布院での開業を決意。その理由は「人がいいから」。
"リアルキャラ"を売り出したい
人と暮らし。由布院を愛する人たちの言葉に、同温泉観光協会事務局長の生野敬嗣さんがだめを押す。
「由布院はやっぱり人。個性的な人が多く、ゆるキャラに頼らない"リアルキャラ"が輝いています。次は人を売り出したいほど」
地域の人たちが地域に誇りを持つという当たり前のことを当たり前に実践すれば、与えられた地域資源が、人がより輝きを放つ。そのことが「雰囲気王国・由布院」の土台を支えているのだ。
一方、由布院より古い歴史を持つ湯平温泉は渓谷沿いの旅館が密集し、江戸時代に造られた石畳の坂道や共同浴場が湯治場の風情を伝えている。活火山・伽藍岳火口近くの塚原温泉はPH1・4という効能豊かな秘湯だ。
温泉ファンにとってたまらない温泉地が並ぶ由布市。きらびやかな何かはいらない。人と地域が織りなす「ありのまま」が「強さ」の源泉だった。
(長池貴志)
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