【番外編】舞鶴から韓国・浦項へ 歴史と食に見どころ(1)
韓国といえば、ソウル、慶州(キョンジュ)、プサンといったところが有名観光地といえるだろう。ここにきて、新たな観光地として名乗りを上げているのが浦項(ポハン)だ。
ホテルジャーナリスト・井村日登美さんツアー同行記
日本側の京都府舞鶴市の京都舞鶴港が昨年秋、国から日本海側拠点港に選定されたことを受けて、府は2015年度に舞鶴港―浦項の国際フェリーを週1回の定期運行を計画している。実現すれば、関西を中心に手軽な船旅での韓国旅行が楽しめるというわけである。
ポハン市は製鉄を中心にした韓国有数の工業都市である。市内には高層ビルが建ち並び、商店街も市場も賑わいをみせている。加えて、周辺には歴史的な観光名所が点在し、世界文化遺産に認定されたキョンジュまでバスで約1時間と手ごろなドライブで行ける。
ということで、先般ポハンを中心とする3泊4日の旅を通じて、じっくりポハンの魅力をさぐってきた。
行きは京都舞鶴港から豪華客船での一晩のクルーズ。ご存知の通り、クルーズ船はホテルと変わらず客室もレストランもお風呂も十分に快適。船内イベントも多彩にそろい、眠るまで遊べる。入国審査は船内で行うのだが、多少時間がかかる。それも旅の愛嬌と解釈しよう。
港に到着し、専用バスに乗り込み、いざ市内観光へとスタート。韓国の国土を虎に見立てて、そのしっぽあたりにあたるとして命名された「虎尾岬」。韓国でもっと東に位置しており、一番早く日が昇る。という意味で、初日の出を拝みにくる人々も多いという。こここには巨大な手「共生の手」がある。1999年6月、新千年を祝って約6カ月かけて建造されたもので、陸地に左手、海の右手となっている。一見海のリゾートと思われる場所に巨大な手の出現は必見。もちろん海はすごくきれい。
日本と近いこともあり、その昔、香川県の漁師たちがサバを追ってたどりつき、日本人町をつくったところがある。九龍浦だ。7月末、当時の日本人が居住した住居を改修した「九龍浦近代歴史館」がオープン。1932年当時には287世帯、1161人が居住したという。歴史館は1920年代移住した村上善吉の住居だったところで、仏壇やこたつ、欄間、ふすまや床の間など往時のままに保存されている。同館を中心に界隈には往時の日本家屋が建ち並び、一種のテーマパークの面もちを醸し出す。一部家屋ではカフェなどを営業している。
このほか、修行体験もできる宝鏡寺など、歴史的な名所も見逃せない。
→【番外編】舞鶴から韓国・浦項へ 歴史と食に見どころ(2)に続く