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収穫とまち歩き 静岡・三島商工会議所の日帰り試作ツアー

12/04/17

三島商工会議所(静岡県三島市)は先ごろ、三島のまち歩きと「箱根西麓三島野菜」を楽しんでもらおうと試作した日帰りツアーにメディアを招待した。

箱根の西側に位置する三島市では、水はけのよい箱根西麓の斜面を利用した野菜づくりが盛ん。味と質のよさから三島野菜と呼ばれ、主に首都圏に出荷されているが、最近では地元で消費を拡大する取り組みに力を入れている。

馬鈴薯をつかった「みしまコロッケ」が一足先にB級グルメとして人気となり市内の飲食店など160店で提供されているが、三島市では、馬鈴薯だけではない三島野菜の周知と、三島野菜による観光客の拡大や市内レストランの利用促進につなげたい思いがある。

ツアーは貸切バスで移動しながら箱根旧街道の散策、ニンジンの収穫体験、ニンジンジュースの試飲、三島野菜を使ったランチ、三島市街地の散策で構成。

箱根旧街道は「こわめし坂」と名がつく急な坂を歩いた。旅人が坂を登る前に力をつけようと「こわめし(おこわ)」を食べたと伝えられるほどの急な坂。この坂は舗装されているが、箱根峠から三島大社へと続く箱根旧街道には石畳の道も残りハイカーも多い。

ニンジンの収穫体験では、お土産用に数本を引っこ抜き、畑の傍らで搾りたてのニンジンジュースを飲んだ。「甘味がある」という野菜の褒め方に不満もあるが、甘味が強くてうまかった。ジュースをおかわりし、ジュースの元も確かめたくてかじった生のニンジンもうまかった。

三島商工会議所日帰り試作ツアー

ニンジンを収穫。
このあとのジュースが絶品

ランチは和食、中華、イタリアン、フレンチの12のレストランから選べる。いずれも三島駅から徒歩圏内で、三島野菜を使ったツアー用のメニューを用意している。

ランチのあと三島大社から桜川、楽寿園、源平川を経て中心街までガイドの案内で歩いた。富士山からの伏流水で、三島が水に恵まれていることが実感できるルートだ。文学碑あり、水上の小道ありと飽きさせない。初夏にはホタルも飛ぶ。

正岡子規の「面白やどの橋からも秋の不二」の句が途中、句碑に紹介されていた。

三島駅から数十メートルに位置する楽寿園は、国の天然記念物および名勝に指定された公園。園内で見られるむき出しの溶岩は、ここが1万4千年前の富士山の噴火による三島溶岩流の先端に当たることを教えている。

(阿部政利)

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