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【寄稿】被災地へ慰霊と応援の旅 ANTA京都府支部と京旅協

11/09/05

全国旅行業協会京都府支部(岩佐光夫支部長)と京都府旅行業協同組合(山本芳孝理事長)は8月4―7日、東日本大震災の被災地へ慰霊と復興応援の旅を実施しました。

団長の岩佐支部長以下21名は4日21時30分に貸切夜行バスで京都駅を出発。約12時間の道のりをひたすら福島県へ向かいました。道中、5時過ぎに車窓から磐梯山が姿を見せ、山麓に広がる田園には青々とした稲が風に揺れ会津平野の美しい自然美が限りなく続いておりました。しかし、原発事故の甚大な被害を思うと、なぜか虚しい気持ちで眺めていました。9時過ぎに飯坂温泉へ到着。ここで車中の疲れを癒し、朝食をいただきました。

その後、宮城県南三陸町へ向けて出発し、お昼過ぎには到着しました。南三陸町志津川はテレビ、新聞で見るよりもっと大変な状況でした。美しかった海の色は鉛色となり完全に町がなくなった状態で、鉄道も森林も津波に砕かれ波にのまれた光景が生々しく残っておりました。

我々はボロボロの鉄骨だけがむき出しになった防災対策庁舎の献花台に向かい、献花と般若心経を唱え、霊の鎮魂を願いました。また霊峰大峰山のご霊水と天河大弁財天社、琵琶山の御神水を供え、潮水にのまれた御霊へ届けとばかりに皆で周りを清めました。

この防災庁舎で最後まで避難のアナウンスを務め逃げ遅れた遠藤未希さんのことも思い出され、このようなかたちで京都から被災地の現場へ来たことを一同それぞれに感慨深く感じました。

明けて6日、めでたく世界遺産登録を果たした平泉中尊寺へ向かいます。たくさんの観光客で道路も混み合い、東北の活気を肌で感じました。今回の我々の目的は「慰霊と復興支援」であります。できるだけ多くの観光地を巡り、少しずつ復興している東北の観光地の現状を把握することが大事です。毛越寺庭園から厳美渓、そして松島の瑞巌寺へも足を運びました。

東北の夏はお祭りのオンパレードであります。特に仙台の七夕まつりには京都祇園祭りの山車が2基、復興応援として出ており、それに伴い京都の舞妓さんも応援隊として参加しています。我々も仙台市内で舞妓さんと合流し、お互い七夕のうちわ片手に「仙台まつり」を観て、一日も早い復興を祈りました。

旅の目的も達し、7日20時に「京都慰霊慰問団」は全員無事に京都駅に帰着しました。

最後に東日本大震災で尊い命を奪われた御霊への鎮魂と東日本の早期復興を祈念し、このたびの計画実施にご尽力いただいた関係者の皆々様に深く感謝申しあげます。

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