観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

世界遺産と寝台列車を満喫 日本トルコ交流120周年ツアー同行記

11/01/25

全旅(池田孝昭社長)は2010年、日本とトルコが交流120周年を迎えたことを記念し、11月15日から23日まで「トルコ航空で行く日本・トルコ交流120周年記念ツアー」を実施した。全国旅行業協会加盟の旅行会社が販売した一般消費者向けの自社商品は、09年に日本から初めてチャーター便を飛ばしたラオスツアーに次いで2度目。ツアーは成田、関空発着の6コースを用意し、300人が参加した。今回は関空発8日間のツアーに参加した同行記として、トルコの魅力の一端をお届けしたい。

長い移動時間も楽しませるガイドの腕前

ツアーを通して思ったことは移動距離が想像以上に長い、ということだ。旅慣れたトルコツアー客や旅行会社の商品造成者なら常識のことのようだが、トルコ初心者にとってほぼ毎日6時間から9時間のバス移動は驚く。早朝、朝日が昇る前後に出発し、太陽が沈んでからのホテル入りが続き、寝台列車の移動を含むと2300キロ、42時間という移動時間になった。

バスでの移動時間が長いということは、現地ガイドがツアー客をいかに退屈させず楽しませ、またトルコの魅力を伝えることができるか。その点が大きなポイントになる。

実際にツアー客から「移動時間は大変。でもガイドさんが親切でよくしていただいたので満足しました。あのガイドさん抜きで今回のツアーは楽しめなかったと思います」といった声を聞いた。

4つの世界遺産で感じる重厚な歴史と異国情緒

トルコには9つの世界遺産があり、ツアーではイスタンブール歴史地域、ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群、ヒエラポリス・パムッカレ、トロイの古代遺跡といった4つの世界遺産のほか、ギリシア時代には小アジア最大の都市国家・エフェソスなどをまわった。

カッパドキア

カッパドキアの景観はツアー参加者を魅了

イスタンブールの旧市街にはトルコ帝国が栄華を極めた時代に建てられたブルーモスク、400年以上皇帝の居城だったトプカプ宮殿、ローマ帝国時代にキリスト教の聖堂として建立されたアヤ・ソフィアなどオスマントルコ時代の建物が数多く残る。これらを見てまわるだけで、トルコの歴史や文化を少しだけだが理解した気分になった。

また4千軒もの店が並ぶグランドバザールは金銀細工や宝石、トルコ絨毯、皮革製品などが売られる大規模な商店街といった雰囲気で、金角湾を挟んで眺める景観はイスタンブールならではの異国情緒を感じさせる。

ボスポラス海峡は世界で唯一、東洋と西洋にまたがる海峡だが、この海峡に日本が誇る瀬戸大橋と姉妹橋になる第2ボスポラス橋が架かる。同橋は瀬戸大橋の備讃瀬戸と同じ構造で両橋とも日本の石川島播磨重工業が架けたものだという。長距離を移動するバスの車窓を眺めていて感じたことだが、トルコの景色は北海道の美瑛をはじめどこか日本で見た風景と重なるところがあり、トルコをより身近に感じさせる。

様々な観光地をまわったなかでツアー参加者を最も喜ばせたのは、カッパドキアとパムッカレではなかったか。カッパドキアではユニークな形をした奇岩や洞窟住居、教会を、なかでも奇岩のなかで生活する家庭でトルコティーを飲ませてもらい、どのような生活をしているのか直接話を聞かせてもらったのも貴重な体験だったようだ。

パムッカレでは早朝ということもあり、段々に連なる真っ白な石灰棚にたまった温泉水の池が朝日に輝き刻々と変化するさまは圧巻で、ツアー客は温泉に足を浸したりして楽しんでいた。

パムッカレ

パムッカレで温泉に足を浸す

アンカラからイスタンブールまでは寝台列車「アンカラエキスプレス」での移動となった。460キロを9時間かけて列車に揺られながらの車窓からの景色は、バスとは違った趣きがあった。

今回のツアーは、日本・トルコ友好記念パーティーが盛り込まれ、ツアー客は記念パーティーに参加した。そのなかで男性が円形型の帽子にスカートで、くるくる回るメブラーナの踊り「セマー」やエキゾチックな女性が独特のリズムを刻むトルコの伝統的なベリーダンスを見学しながら、トルコ料理を味わった。トルコ独特の踊りと食がツアーを締めくくった。

ベリーダンス

記念パーティーでベリーダンスを楽しむ

購読申し込み
夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ