観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

「飛鳥Ⅱ」で種子島へ行く

09/12/10

全国旅行業協会会員の全観トラベルネットワーク(近藤幸二社長)は、11月9―11日の3日間、客船「飛鳥Ⅱ」を使った「チャータークルーズ種子島3日間の旅」を実施した。岡山県倉敷市で営業する同社は、日ごろから地元の企業や各種団体と信頼のネットワークづくりに特化しており、今回は岡山県で2番目に古い歴史を持つ玉島信用金庫の創立95周年に合わせて飛鳥Ⅱのチャータークルーズを提案。定員800人を満席にしてクルーズツアーを成功させた。

全観トラベルネットワークのチャータークルーズ 充実の船内と手厚いもてなし

9日は広島県・宇品港に集合し、地元女子高の吹奏楽部による演奏に見送られながら10時30分に出航。あいにくの雨の中、演奏を続ける女子高生たちに感謝しつつ船内ではシャンパンをいただきながら宇品港を後にする。

船は、瀬戸内海の多島美を最も楽しめるエリアを進むが、景色を楽しむ人よりも飛鳥Ⅱという船をより知って船旅を満喫しようという人がほとんど。船内見学ツアーには多数が参加していた。

飛鳥Ⅱデッキ

飛鳥Ⅱの上部デッキで過ごす乗船客

飛鳥Ⅱは以前の飛鳥に比べ1・7倍の広さになり、レストラン・カフェが4、ラウンジ・バーが6、ホール・シアターが3、スポーツ・リラクゼーションが5、アミューズメントが4、ショップが6カ所を備えられている。

こういった充実した施設では映画やダンス教室、カジノ体験など、様々なメニューが用意されている。どの参加者も自分のスタイルに合った過ごし方を楽しみ、このツアーの参加者が旅慣れていることをうかがわせた。なかには、サウナやスチームルーム、ジャグジーが設けられたグランドスパという大浴場に、3日間のクルーズで7回入浴して船旅を楽しんだ人もいた。

飛鳥Ⅱの定員は800人だが、20カ国・440人のクルーが乗り込んでおり、信用金庫側32人と全観トラベルネットワーク側12人の44人のスタッフを加えると、このチャータークルーズでは総勢484人が乗客をもてなす格好だ。宿泊産業、とりわけ旅館業界は接客人数の削減によるサービスの低下がクレームの一因になっている部分もあり、それとは対極の人的サービスの提供がクルーズであることを思い知らされる。

さて、種子島の西之表港には10日7時に着岸した。種子島の半日と1日、ゴルフ、屋久島1日のオプショナルが用意されており、記者は宇宙科学技術館などに立ち寄る種子島半日コースに参加した。

この技術館の土産品コーナーは人気が高く、人だかりになった。購入しているほとんどがカレーをはじめ、たこやきやキムチなどを様々に加工してある宇宙食だった。カレーなどは10個単位で買っている人もいた。こういった光景を見ると、その地ならではの、ちょっと珍しいものであれば土産は売れるのだと改めて思った。実は買いたい気持ちはあるものの、買いたいものがないから買わないのではないか。宇宙食を山のように買っていく参加者の購入意欲から、そう感じた。

種子島宇宙科学館

賑わう種子島の宇宙科学館の土産品コーナー

着岸時と離岸時に種子島の観光関係者から歓迎と見送りのイベントが行われたものの、雨のために満足のいくものにならなかったことだけが残念と思いつつ、17時30分に船は港を出港した。

11日の最終日は早朝に愛媛県・佐多岬を経由し、朝食を食べたあたりの時間帯に伊予灘から三原瀬戸に入り、瀬戸内海の多島美を満喫できるシーンになる。飛鳥Ⅱの煙突と橋の差が5メートルという緊張感のなか13時前に因島大橋を通過。乗船客は記念写真の撮影に追われていた。15時に瀬戸大橋に差し掛かるころには、船首にあるビスタラウンジは前方の大パノラマを楽しめるとあってほぼ満席。すぐ近くにあるデッキの席もほとんどいっぱいだった。

因島大橋通過

煙突と橋の差が5メートルという因島大橋

17時に岡山県・水島港に着岸した。チャータークルーズは終了したが、このあと、玉島信用金庫全社員による船内見学会と慰労会が行われた。クルーズに参加できなかった社員にも飛鳥Ⅱの一端を感じてもらおうという計らい。全観トラベルネットワークの強みを垣間見たように思えた。

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