春は雛祭りから(1) 宿場町と温泉に彩り/岡山美作
16/02/22
先般の大寒波を乗り越え、もう春の足音が聞こえそうな季節になってきた。春の到来に備え、旅人たちは旅支度をし始めているはずだ。その春の観光シーズンは桃の節句、雛祭りで開幕。各地では地域固有の行事が開かれ、風土と古き良き日本文化を旅情豊かに伝えてくれる。日本人のDNAに刷り込まれてきた日本の心と艶やかな春色を求めて旅に出よう。
古町の歴史情緒と湯郷の温泉情緒を艶やかに
岡山県美作市では、宿場町と温泉地で雛祭りが開かれる。歴史と温泉情緒が鮮やかに彩られ、山間の地に春がやってくる。
江戸時代に因幡街道・大原宿として栄えた古町地区では4月2、3日に春の風物詩「古町のひなまつり」が開かれる。古くから受け継がれてきた雛人形を、旧因幡街道沿いの民家や商店など約60軒に展示。享保雛や古今雛から現代雛まで様々な雛人形が飾られ、宿場町の面影が残る旧街道を歴史情緒たっぷりに彩る。
雛飾り箇所10カ所を巡るとくじ引きで景品をプレゼントするスタンプラリーも実施。空くじなしで子どもたちにも人気の企画だ。地元手作りの食の販売や、地元の酒蔵「田中酒造場」の甘酒も振る舞われる。
また、大原本陣の御成門周辺には、地元に古くから伝わる器を使用しかつてのもてなし料理を復元した「殿様御膳」も展示される。
雛飾り公開時間は10―15時。古町へは鳥取道・大原ICから約5分。
同イベントは、みまさか市観光ボランティアガイドの会が運行している、地域の旬を巡る「ボンネットバスツアー」のコースにも設定。催行は4月3日。乗車料は無料で、保険代200円。1週間前までに申し込みが必要。問い合わせは市観光振興課 電話0868―72―6693。