温泉地の旅(1) 山梨県石和温泉
旅に出るのに難しく考えることはない。その地にしかない個性があって、気持ちいい温泉があって、うまい食があればいい。今回は気軽に泊まりにいける3つの温泉地への旅を紹介したい。山梨県石和温泉、石川県片山津温泉、兵庫県南淡路温泉郷。地域色濃い個性と話題を有し、旬を提供してくれる地だ。温泉地の魅力を体感させてくれるお宿に泊まれば、日常が異日常に完全に切り替わり、もう自身がその地の風景の一部になる。難しく考えることはない。思い立ったらすぐに出かければいいのだ。
首都圏、中部圏の奥座敷
山梨県最大級の湯どころと言えるのが、笛吹市の石和温泉。甲府市内へ、清里・八ヶ岳方面へ、そして富士山へとアクセス至便な観光拠点は首都圏、中京圏の奥座敷として存在感を放つ。100軒を超える旅館ホテルが軒を連ね、歴史文化や温泉情緒を求めて今日も多くの観光客が訪れる。
開湯は1961年と新しいながらも、「新日本観光地100選」3位に選ばれるなどその地位を確立。泉質はアルカリ単純泉で、神経痛や打ち身、冷え症に効果があるとして人気を集める。周辺地域への観光拠点として家族、団体、友人など誰でも楽しめる。
夏は笛吹川での伝統漁法「徒歩鵜」の実演(8月19日まで)や、7月20日―8月20日に毎夜上がる「石和温泉連夜花火」が風物詩。8月21日には約1万発の花火が打ちあがる花火大会も。
来年は山梨県全体での「国民文化祭」開催というビッグな1年になる。1月12日―11月10日まで、フットパスや食のイベントなど多彩な企画が全県で展開される。
華やぎの章「慶山」「甲斐路」の姉妹館は、癒しの時間を提供。慶山は122室・620人、甲斐路は80室・350人と大規模な収容人員数を誇り、両館ともに地元の食材をふんだんに使った料理にこだわる。家族からカップル、団体まで幅広い層に対応している。
石和の湯を満喫できる浴場は、慶山が岩・ヒノキの大露天風呂が自慢。甲斐路は湯量豊富な大浴場で旅の疲れを癒したい。日本庭園を望む足湯も気軽に利用できる。