秋の3湯三題噺(3) 岡山県・湯郷温泉
11/09/27
岡山県北部、美作三湯の一角、湯郷温泉。円仁法師が傷を癒している白鷺の姿を見て温泉を発見したという伝説が残る、1200年の歴史と豊かな自然を誇る名湯だ。
玩具、陸フグ、なでしこ
湯郷では昨今、他の温泉地と一線を画した個性的な魅力づくりを推進。「おもちゃの街」を宣言し、木製玩具やアンティークオルゴールを収蔵する「現代玩具博物館・オルゴール夢館」、鉄道模型とレトロなおもちゃを展示する「てつどう模型館&レトロおもちゃ館」、昭和期の風景が広がる「あの日のおもちゃ箱昭和館」、地域に伝わる巨人をモチーフにした「三歩太郎(さんぶたろう)のからくり時計」などの施設がそろう。子どもには夢を、大人には懐かしさを提供。湯のまちとおもちゃのコラボによる心豊かな空気感は来訪者の心をとらえている。
秋の話題は、特殊な淡水で育てられた"陸"フグ。岡山市の岡山理科大が養殖に成功したトラフグで、このほど、海水以外で育てられたフグとしては国内で初めて出荷された。天然フグにも負けない旨味を有するという貴重なフグは、湯郷では秋から味わえる予定だ。
また、日本中を感動の渦に巻き込んだ「なでしこ」たちも湯郷にいる。女子サッカーチーム「湯郷Belle」が本拠を構え、先日のロンドン五輪予選前には「なでしこジャパン」が合宿を張って実力を強化。彼女たちが再び世界に羽ばたくのを湯郷がアシストした。湯郷は今、サッカーで活気づいている。
ゆのごう館は、清流・吉野川を望み、山々に囲まれた静かなロケーション。美肌の湯をたたえた露天風呂が自然の風情を感じさせる。鉄人・大田忠道さんを顧問に迎えての料理も魅力で、地元牛「千屋牛」をはじめ地元食材を堪能できる。