今こそ東北へ(2) 岩手・花巻温泉郷―"イーハトーヴ"を探訪
11/07/25
岩手県中央部に位置する花巻市。北上川が中心部をゆるりと流れ、豊かな山々と澄んだ空気に包みこまれた環境が、訪れる人の心を癒してくれる。一方で、東北道に東北新幹線、いわて花巻空港とアクセス至便。首都圏からはすぐそこだ。
花巻は数々の偉人ゆかりの地。なかでも宮沢賢治は花巻で生まれ、花巻農学校で教鞭を執った郷土の偉人だ。後世語り継がれる詩や童話のほか、教育や農業など賢治の世界に親しめるのが「宮沢賢治記念館」。賢治の愛用品や原稿をはじめ膨大な資料と書籍で賢治の活動に迫る。賢治の童話をテーマにした「童話村」、夜間に幻想的な絵が浮かび上がる「未来都市銀河地球鉄道」など市内に点在するスポットも巡り、"イーハトーヴ"に代表される賢治の世界観に親しみたい。
また、詩人・高村光太郎は晩年をこの地で過ごした。生活を送った「高村山荘」や近隣の「高村記念館」が見どころ。新渡戸稲造もゆかりの人物で「花巻新渡戸記念館」で新渡戸氏の業績に触れる。
雄大な自然を味わうには日本百名山の1つ・早池峰山へ。高山植物の可憐な花を眺めに登山もいい。花巻を訪れたら、わんこそばやりんご、和牛といった食、郷土玩具・花巻人形や陶芸品などの特産品も忘れずに。
花巻といったら温泉は欠かせない。花巻温泉郷は古くから湯治場として親しまれてきた、東北有数の温泉地。奥羽山脈がもたらす豊富な湯と自然の絶景、静かな風情は旅情をかき立てる。
その奥座敷、新鉛温泉の愛隣館は、合計17の浴槽を有し、緑に包まれて川のせせらぎを聞きながらの自然のなかでの入浴は、森林浴効果も十分。部屋食の和膳、かまどダイニングもうれしい、東北風情溢れる旅館だ。
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