初秋は梨狩り 鳥取日帰りの旅(2)
旅行業界で梨狩りといえば、鳥取の「二十世紀梨」がすぐに思い浮かびますが、バラ科の落葉高木の梨は、4月ごろ、桜に似た白い花をつけることをご存じでしょうか。
梨メーンにジオパークや買い物も
春は梨狩りのイメージがない季節なので、その美しさを体験した人は少ないでしょうが、春の梨の花は、秋のらっきょうの花とあわせて、鳥取の隠れた花として可憐な美しさで人々を楽しませています。
梨は、「長十郎」に代表される赤梨と、「二十世紀」をはじめとする青梨に大別され、鳥取ではその両方が楽しめます。8月後半からの1カ月は、みずみずしい青梨「二十世紀」が最盛期となり、10月からの1カ月は赤梨である「新高」や「親興」が旬を迎えます。
「二十世紀梨」はもともと、およそ108年前に千葉県から鳥取へ移植。砂丘の地質が合ったのと、栽培農家の絶え間ない品種改良の結果、日本を代表する産地にまで成長したのです。
では、今回は鳥取の観光施設と梨狩組合が共同で企画した旅行商品を具体的に紹介しましょう(期間は8月25日―10月31日)。
関西各地を8時前後に出発すると、鳥取には昼前の到着。まずはジオパークへ。
【山陰松島遊覧船】...昨年10月に世界ジオパークに認定された山陰海岸の中心地的存在、浦富海岸の美しさに目をみはってください。美しい水と、日本白砂青松百選、日本の渚百選などにも設定されている風光明媚な景観。船から見るジオ(地球)が皆様を感動の世界へ誘います。
次は、鳥取の地産地消的な昼食に舌鼓。
【砂丘会館・砂丘フレンドの共同開発メニュー】...砂丘を代表する長芋のとろろや、海藻のひじきを練り込んだひじきそば、甘えびのお造り、あさり飯、そして珍しいハタハタの唐揚げなど、この企画でしか味わえない食事をご用意しました。
そして、今回の旅行の本命、梨狩りです。
【山湯山果実組合と砂丘フレンド梨狩組合】...農園にありがちな急な斜面はまったくなく、平坦で安全な木の下で、梨狩り、食べ放題に挑戦してください。手に取った二十世紀梨の感触を楽しめながら、まずはひと口。サクサクとした歯ごたえと甘味の深い水分が口いっぱいに広がります。
食後の果物が終わった後は、海の幸を求め、鳥取賀露港へレッツゴー。
【浜下商店・中村商店】...両店共通のサービスで豊富な海産物を用意しました。お買い物に関係なく、ご予約の方全員に一夜干しセットとかにせんべい1枚をプレゼントします。また、この時期はハタハタや赤ガレイ、赤イカなどがおすすめです。甘辛く煮つけた赤ガレイや赤イカのお刺身、天ぷらは普段味わうことの少ない逸品として、食卓を賑わすことでしょう。
さあ、そろそろ帰り支度ですが、帰路のお楽しみも。
【とうふちくわの里・鳥取ちむら】...こちらに立ち寄って、鳥取名産・とうふちくわを味わうのもよし。
【あわくらんどグループ・黄金泉】...汗を流して、新鮮野菜市で最終のお買い物をお楽しみいただくのもいいでしょう。
注目の神話・古事記スポットにも注目
今回は梨狩りを中心にご紹介しましたが、今年は兎年。1月の初詣の際には、関西から多くの方が鳥取市の白兎神社へ参拝されました。
古事記上巻の神話「因幡の素兎」で知られる白兎神社は、全国に数ある縁結びの神社の中で、歌にもなっているようにもっとも親しまれている神社といえるでしょう。
出雲の大国主命と鳥取河原の八上姫の結婚神話は、どこの縁結び伝説よりも具体性があり、物語としても楽しめます。
来年2012年は、古事記編さん1300年として島根県も大いに力を入れています。今年から来年にかけて、山陰は目が離せない地域になることでしょう。
鳥取県内の古事記関連のスポットとしては、白兎神社▽赤猪岩(あかいいわ)神社▽阿陀萱(あだかや)神社▽売沼(めぬま)神社▽河原城▽粟島神社▽大石見(おおいわみ)神社▽波波伎(ははき)神社▽唐王(とうのう)神社―など多くが点在しています。
(トラベルナビゲータ・黒葛原健治)