ものづくりの心を伝えたい・大阪府東大阪市(2) "オンリーワン"の現場を見る
11/06/07
東大阪の「ものづくり観光」で訪れる企業は、単なる町工場というなかれ。いずれもオンリーワン・ナンバーワンのプロの技術が輝く現場ばかりだ。
「まいど1号」から銅鏡まで 多彩な業種
アオキは、人工衛星「まいど1号」の仕掛け人・青木豊彦社長が経営する航空機部品、金型製造の会社。ボーイング社認定工場でもある同社の技術が見学できるほか、青木社長の熱のこもった講演も人気を集める。
上田合金は、船舶バルブなどの鋳造のメーカーだが、上田富雄社長が銅鐸や銅鏡の復元に成功したことで知られる。銅鏡磨き体験ができ、上田社長が講演で伝える「ものづくりの心」も必聴。
そのほか、義肢装具製造の川村義肢では、義肢モデル製作体験や工場見学ツアーを実施。強固なナットを開発するハードロック工業やペーパートレー製造の秀英、カラーワイヤークラフト体験ができる日本化線など様々な業種の現場に訪れることができる。
また、グリコのおまけを生み出した宮本順三さんの記念館「豆玩舎(おまけや)ZUNZO」でのおもちゃづくり、隣の八尾市の「コンペイトウミュージアムやお」でのコンペイトウづくりなど子どもも楽しめるスポットも。江戸期の豪商の管理事務所「鴻池新田会所」や、司馬遼太郎記念館など東大阪の観光スポットも行程に組み合わせることが可能だ。
修学旅行の一例では、東大阪に宿泊し、午前に工場2軒を見学。午後から工場経営者の講演、司馬遼太郎記念館などを訪れ、次の宿泊地の京都へ移動する。これまではあまりなかった「東大阪―京都」の流れが出てきたことも注目だろう。