武将観光と産業観光の聖地・名古屋圏(3) エリア各市町の魅力
名古屋圏域各市町はその地固有の文化を有している。圏域をぐるりとまわり、"聖地巡礼"といこう。
犬山市 城下町に漂う風情
国宝・犬山城が悠然と構える犬山市。木曽川が濃尾平野に流れ出る風光明媚な自然景観に、戦国から江戸時代の歴史の足跡が映える情緒豊かな情景が広がっている。
犬山城は戦国時代、織田家や羽柴秀吉が入城した戦国の舞台。今も残る木造天守閣は日本最古で、重厚な歴史の重みを感じることができ、木曽川や御嶽山など最上階からの眺めは絶景だ。
また、城下町の風情が残る古い町並みをはじめ、木曽川うかいや国宝茶室・如庵を有する庭園・有楽苑など歴史色豊か。そのほか、博物館明治村や犬山温泉など多彩な魅力がそろう国際観光都市となっている。
瀬戸市 やきものに触れる
「せともの」の名に代表されるように、瀬戸市はやきもののまち。1300年の歴史を誇る日本有数の陶磁器の郷で「やきもの観光」も面白い。
同市では、まち全体を博物館や美術館に見立て「せと・まるっとミュージアム」を展開。窯元や工房のほか、江戸期の旧窯元屋敷を利用した「窯元の小径ギャラリー」や深川神社、県陶磁器資料館など市内各所でやきもの文化に触れられる。
豊田市 調和する自然と文化
豊田市は日本を代表する自動車産業のまち。市中心部には豊田市美術館や豊田スタジアムなど近代的施設が並ぶが、山間部では水と緑、伝統の魅力も兼ね備えている。
足助地区は、宿場町の香りが色濃い中馬街道沿いの町並みのほか、香嵐渓の秋の紅葉をはじめとする自然景観が美しい。小原和紙の郷・小原地区や、松平発祥の地・松平郷、矢作川の自然の癒しがたっぷりな旭地区など自然と文化が調和した空気が流れている。
長久手町 戦国と時代の最先端が両立
長久手町の名は、戦国時代の一大合戦「小牧・長久手の戦い」で知られるところ。徳川家康が軍議を開いたとされる色金山公園や古戦場公園など戦国観光には欠かせない史跡が点在している。
一方で、2005年の愛・地球博のメーン会場「愛・地球博記念公園」やトヨタ博物館、日本初の実用的な磁気浮上式鉄道「リニモ」の走行など、歴史と時代の最先端が両立した魅力を備えている。
中京圏最大・観光の核 名古屋市
中京圏最大の都市・名古屋市。まちのシンボル・名古屋城を中心にまちは発展し、武家文化やものづくり文化が栄えてきた、武将・産業観光でも核となる存在だ。
豊富な歴史資産はもちろん、今年はリニア・鉄道館や名古屋市科学館のプラネタリウムがオープンするなど一層魅力がアップ。東名阪道の延長で名前を変えた名古屋第二環状道が伊勢湾岸道と接続、アクセスも便利になった。
5月29日までは「春の観光キャンペーン」が開催中。名古屋観光は盛り上がりを見せている。