安曇野で「おひさま」浴びる(1) 自然体感、まち歩き
4月4日にスタートしたNHK連続テレビ小説「おひさま」の舞台は長野県安曇野市と松本市。戦争前後の混乱期、井上真央さん演じるヒロインが太陽のように人々を明るく照らすというさわやかな一代記だが、信州の美しく広大な自然が物語をより輝かせる。今回は、その安曇野にスポットを当て、その自然と風土を満喫する旅を紹介したい。「おひさま」の暖かい光と爽快な空気を浴びながら、のんびりと行く安曇野の旅へ。
澄んだ空気と美しい田園
雄大な北アルプスを背景に広がる安曇野のまち。春になると清らかな融水がまちを潤し、澄んだ空気が山に川に田園に美しい風景を輝かせる。「おひさま」ヒロインが駆け抜ける安曇野のさわやかさを感じて歩く。
安曇野観光の拠点はJR穂高駅。なだらかな大地を歩きだすと、名水に恵まれた安曇野の特徴的な風景ともいえる、田園地帯ののどかなたたずまいが見えてくる。田に水がたたえられる春から初夏、残雪をいただく北アルプスが水鏡のように田に映し出され、日本の原風景を見せてくれる。
北アルプスからの湧水は良質なわさびも生む。穂高駅東側へ足を向けると、名水百選の1つ、安曇野わさび田湧水群が。その一角、大王わさび農場は東京ドーム11個分という広大な敷地にわさび田が広がり、風味豊かなわさびを栽培している。わさび田そのものはもちろん、選別加工風景の見学やわさび漬け体験ができるほか、湧水の冷たさを実感できる親水広場や水車小屋、遊歩道もあり、安曇野の自然の恵みを目と舌と肌で感じることができる。年間約120万人が訪れる、安曇野観光の主軸ともいえるスポットだ。「おひさま」のオープンロケセットも建設される予定で、ロケ地めぐりにも欠かせない。
ロケと言えば、駅西側に目を向けたい。中房川の河川敷や農道、穂高川河川敷などの穂高・有明地区や堀金地区などが撮影スポット。安曇野の守り神ともいわれ、市内各所にまつられた道祖神も堀金・烏川地区でロケ地となっており、「おひさま」の風景を追えば、おのずと安曇野の魅力に触れられるのではないだろうか。穂高駅を起点にゆっくりと訪ね歩くのもよし、レンタサイクルで疾走するのもよし。
北には国営アルプスあづみの公園。広大な自然の自由空間は季節の花々や散策、自然学習など自然と遊ぶにはもってこいだ。
空から安曇野を眺めるという手もある。安曇野气船が5―10月に実施している熱気球の係留体験は、高度30メートルで浮遊。清々しい空気と景色を空中で楽しむ、一味違った経験ができそう。
春は三郷地区でりんごの花が白く可憐な花を咲かせ、穂高川ほとりの早春賦碑の周辺も花々が開花。桜の登山道が続く光城山が散策に彩りを添える。ドライブを楽しみたい人は、安曇野のまちが一望できる長峰山に訪れるのもいいだろう。
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