3地域の3つの春(3) 野山の恵みを感じる/長野県大町温泉郷
11/03/18
北アルプスの雄大な山々に抱かれた長野県大町温泉郷。雪深い静かなまちにも遅い春が訪れ、いよいよ観光シーズンがやってくる。ここを拠点として、野に山に信州の自然を駆けまわろう。
まずは少し南に下り、安曇野へ。北アルプスのふもとに田園地帯が広がり、澄んだ空気とともに美しくのどかな風景が心にしみる。
国営アルプスあづみの公園などで自然を体感した後は、大王わさび農場を訪れたい。東京ドーム11個分という広大なわさび田では、北アルプスの融水で風味豊かなわさびを栽培。水車小屋や遊歩道もあり、安曇野の自然の恵みを目と舌と肌で味わわせてくれる。
また、安曇野市から大町市、白馬村までを結ぶ「安曇野アートライン」など美術館めぐりも面白い。安曇野ちひろ美術館は、絵本画家・いわさきちひろをはじめ世界の絵本画家の作品などを展示。絵本が持つ優しさとのどかな安曇野の自然が調和し安らぎの世界観を演出している。
大町からは立山黒部アルペンルートで黒部ダムへ。展望台から眺めるダムと北アルプスの大パノラマ、6―10月の観光放水は壮観。今年のアルペンルートの開通は4月10日。さらに北へ長野市の善光寺、南へ松本市の松本城に歴史観光もいいだろう。
大町温泉郷は清流鹿島川のほとりに位置し、春は桜、夏は川遊びと豊かな自然の楽しみに包まれる。緑翠亭景水は和風モダンなたたずまい大町の風情に調和した湯宿。庭園大浴場や露天風呂7つの湯めぐりが楽しめ、大町の湯と温もりをじっくりと味わえる。