観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

「おひさま」探して春の信州へ 大町・諏訪・白樺湖

11/02/08

今春スタートのNHK朝の連続テレビ小説「おひさま」の舞台は信州・安曇野と松本。ヒロインが太陽のように周囲を明るく包むという物語だが、放映を機に信州観光も照らされる。今回は先取りして、北に大町、南に白樺湖、諏訪という舞台の周辺地にスポットを当て、信州を幅広く体感する旅を提案したい。魅力は異なれど、澄んだ空気と自然を共有する、信州の重要なパーツ。これらの地を拠点に立ち寄りに、広い視野でドラマを味わう大きな旅に出かけよう。

大町市で水めぐり

安曇野から、西に北アルプスの山々を見ながら北へ向かうと大町市。雄大な山々が育む豊かな湧水に恵まれた「水のまち」だ。その大町の魅力を探るとやはり、大なり小なり、清らかな"水"と自然が関わってくる。

まずは水そのもの。居谷里湿原の湧水「女清水」と北アルプス上白沢の湧水「男清水」にまつわる言い伝えから、両方を混ぜた水は夫婦円満や縁結びの水とされている。今もJR信濃大町駅前など市内各所に水飲み場が設けられており、その水を楽しむことができる。水飲み場などを掲載した散策マップもあり、水めぐりも楽しい。

次は資源としての水。大町は立山黒部アルペンルート・黒部ダムの玄関口でもある。信濃大町からトロリーバスなどを乗り継ぎ、黒部ダムへ。展望台からは眼下にダムを見下ろし、顔を上げると北アルプスの大パノラマが広がる。6―10月の観光放水も含めて、その魅力は豪快の一言だ。また、温泉も資源の1つ。大町温泉郷の自然と調和した静かなたたずまいに心身ともに癒したい。

黒部ダム

大町から黒部ダムへ。6月から行われる
観光放水は豪快の一言
(提供:信州・長野県観光協会)

食にも水が。北アルプスの清廉な水で育った大町の黒豚はブランド化されており、「黒豚ビッグバーガー」など新メニューも登場している。黒部ダムつながりではご当地メニュー「黒部ダムカレー」に注目。ライスでダムを表現した形が受け、人気を集めている。

そのほか、登山はもちろん、国営アルプスあづみの公園や仁科三湖などで自然を体感してもよし、安曇野市から大町市、白馬村までを結ぶ「安曇野アートライン」で美術館めぐりをしてもよし。水と自然をめぐる大町の旅の楽しみは尽きない。

諏訪市は自然と文化探訪

安曇野・松本から長野道・中央道で南へ下ると諏訪市へ。清らかな水を湛える信州一の湖・諏訪湖を抱え、自然、歴史にと多彩な魅力を擁する観光都市だ。

自然を求めるなら、まずはビーナスラインで霧ヶ峰高原を目指そう。隣接する車山高原、八島ヶ原湿原を含め、高原の爽快さに豊かな山の植物が彩りを添え、ハイキングコースとしての魅力に満ちている。初夏から晩秋にかけてレンゲツツジやニッコウキスゲなど高山植物が花を咲かせ、散策に喜びを与えてくれる。5月下旬の開山が待ち遠しい。

諏訪のシンボル・諏訪湖は、市民、観光客の憩いの場。広大な湖畔公園の散策、遊覧船やボートで水面からの景色を楽しむなど緩やかな時の流れをもたらしてくれる。春は満開の桜並木、夏は湖上花火大会と季節ごとの情景も見どころだ。

諏訪湖

諏訪のシンボル・諏訪湖は憩いの場
(提供:信州・長野県観光協会)

諏訪の歴史といえば諏訪大社。上社が諏訪市にあり、諏訪造りの建築様式、太刀など多くの社宝を収蔵する宝物殿など、息づく伝統を肌で感じられる。巨木が山を駆け下りる豪快さで有名な御柱祭は7年に一度の開催で、次回は2016年。

また、諏訪は文化人を多く輩出し、美術館や博物館が点在。日本画から洋画、彫刻、書などあらゆる作品を収蔵する諏訪市美術館や、諏訪の歴史を伝える諏訪市博物館や、ガラス工芸品を中心に据えた北澤美術館など多彩なアート施設は、諏訪の知的かつ文化的な一面も感じさせてくれる。

そのほか、山菜や川魚など郷土の食材使った「みそ天丼」をはじめとする食、上諏訪温泉など素材が揃い、観光客を飽きさせない。

自然が癒す白樺湖

白樺湖は安曇野から見ると南東に位置し、諏訪からはビーナスラインで約40分。関東からなら白樺湖を訪れてから、安曇野・松本方面へ繰り出す観光客も多いだろう。美しい自然とアミューズメントが楽しめるリゾート地として定番のスポットだ。

蓼科山を背景に広がる蓼科高原池の平にある白樺湖は、その名の通り立ち並ぶ白樺林がリゾート感を演出。湖面標高は約1400メートルで、山々と高原に抱かれた自然環境は、夏は青空のもと緑鮮やかで澄み切った空気が清々しく、秋は色づいた紅葉と、四季折々の表情で訪れた人の心を癒してくれる。

白樺湖

リゾート感を演出する白樺湖
(提供:信州・長野県観光協会)

湖畔には約4キロのサイクリングロードが整備されている。疾走すれば白樺の木々と光り輝く湖面が目に入り、高原の風が心地よい。春から夏休みシーズンにかけては貸ボートもあり、湖面から白樺湖の魅力を体感するのもいい。冬は周辺にスキー場が点在しており、カップルやファミリーでパウダースノーが楽しめる。

また、湖畔にレジャー施設が集積しているのも白樺湖の特徴。スポーツアトラクション満載の遊園地「白樺リゾートファミリーランド」や、影絵や切り絵などの美術館、オートキャンプ場など多彩なラインナップで、充実のひとときを提供する。

白樺リゾートスキー場の春―秋は自然園「黄金アカシアの森」に。初夏はニッコウキスゲ、夏はユリ、秋は黄金アカシアなど様々に植物に触れながら散策を楽しみたい。

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