今秋も「夜神楽」で伝統体感 島根・石見
島根県西部に位置する江津市や浜田市、益田市、津和野町などでは11月30日まで「なつかしの国・石見 観光キャンペーン」が開かれており、週末を中心に「石見の夜神楽」の公演が行われている。夜神楽の特別公演が広範囲に行われるのは３回目で、秋は夜神楽を軸に歴史や自然、温泉など石見エリアの魅力に触れてみたい。伝統を肌で感じに、石見へ。
豪華・独特のオーラ「石見神楽」 11月30日まで石見各地で
石見神楽は石見地方の伝統芸能で、島根県西部一円で演じられている。全国には様々な神楽が伝承されているが、石見神楽はリズムの軽快さと衣装の豪華さで類をみない独特の神楽といわれる。
神楽の演目は現在上演されているものだけでも30数種。古事記や日本書紀を原点とするものや、よく知られた神話や伝説をもとにした内容になっており、石見神楽の代名詞的な演目には「大蛇」「鐘●」などがある。色鮮やかで迫力ある大蛇が舞う様は、旅に強い印象を残すだろう。（●＝九に首）
石見神楽の代名詞にもなっている「大蛇」。迫力！
「『なつかしの国・石見』観光キャンペーン」は11月30日まで開かれ、期間中、特別企画として「夜神楽」の毎日公演や週末公演が石見地方各地で行われる。津和野町・町民センターでは９月30日まで毎日公演（入場料金は高校生以上３００円）。週末公演は９月10―12日に浜田市湯屋温泉・リフレパークきんたの里、９月17―19日、24―26日に同市旭温泉・あさひ荘別館、10月１―３日、８―10日に江津市風の国温泉・温泉リゾート風の国、10月15―17日、22―24日、29―31日に同市有福温泉・湯のまち演芸場、11月５―７日、12―14日、19―21日、26―28日に浜田市美又温泉・美又温泉会館でそれぞれ実施される。入場料金はいずれも高校生以上５００円。
そのほか益田市の島根県芸術文化センター「グラントワ」で毎週日曜の18時―19時40分、江津市の「しまね海洋館アクアスはっしー広場」では毎週日曜の13―15時に神楽の定期公演を行う。
受入人数に制限はあるものの、９月上旬から11月中旬まで石見地方では土曜を中心に各地の神社で夜を通して「奉納神楽」が行われ、地元の人たちと一緒に独特かつ厳かな雰囲気を楽しめる。
秋の石見はとにかく「石見神楽」づくし。伝統の光景を目に焼き付けたい。
益田市・石見地方の見どころ
萩・石見空港がある益田市は万葉集最高の歌人といわれる歌聖・柿本人麻呂の生誕・終焉の地と伝えられているほか、日本水墨画の完成者と評価される雪舟が晩年を過ごした地でもある。
人麻呂の生誕地には「柿本神社」、終焉地には「高津柿本神社」があるほか、万葉集に詠まれた１６０種の植物のうち１５０種を植えた「万葉植物園」などで万葉の歌と自然を楽しむことができる。
雪舟が作庭した庭を見るには「萬福寺」「医光寺」、雪舟に関する資料を備えた「雪舟の郷記念館」。
また、島根県には個性的な温泉が豊富。なかでも石見地方には匹見峡温泉や多田温泉、美都温泉、有福温泉、美又温泉、旭温泉など小規模な施設ながら特色ある温泉が点在。旅の疲れは、温泉で癒したい。
西中国山地最高峰である恐羅漢山を源流とする国定公園匹見峡は表、裏、奥の３つの変化に富んだ渓谷で、ハイキングコースも用意されている。奥匹見峡での見どころは高さ15メートルの二段滝と高さ53メートルの大竜頭。秋の彩りを添えた壮観な景色を楽しもう。
石見へは航空便利用も便利
石見地方へは萩・石見空港の利用がおすすめ。ＡＮＡセールスが造成する「ＢＳ（ビックスマイル）プラン」は、伊丹―萩・石見空港の往復航空運賃とホテル代・朝食がついたお得なパック旅行商品だ。
料金は２万８３００円から７万１８００円で、１人より参加可能。空港でソフトドリンクのサービスやマイルをためることができる。基本コースは１泊と２泊だが、出発日を含め14日まで復路の延長可能。
「今が旅ドキ」では「松山・高知 萩・石見」のパンフレットのなかで、萩―石見フリープランを設定。料金は２万７８００円から６万２３００円までで、１泊と２泊を選べる。萩への片道バスチケットが付く。
前記の「ＢＳプラン」「旅ドキ」のいずれも10月31日までの出発だが、「ＢＳプラン」は料金を変更して来年１月４日帰着まで継続して発売される。
また、萩・石見空港で10月17日、「第３回萩・石見空港マラソン全国大会」が開かれる。10キロ、５キロ、３キロ、２キロ、ハーフマラソンの部（日本陸連公認）と、２キロを走るファミリーの部がある。ファミリーの部は車椅子の人も参加できる。５キロ以下およびファミリーの部は萩・石見空港の滑走路と空港内通路を使用する。募集人員は３千人。ゲストランナーにオリンピックメダリストの有森裕子さん、名古屋国際女子マラソンで優勝した加納由理さんが参加する。
