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「おかげの国」がおもしろい 三重・伊勢志摩

10/03/03

伊勢神宮を中心に別宮や摂社、末社など125社が点在する伊勢志摩エリアを「おかげの国」と見立て、エリア全域の魅力づくりにつなげようとする試みが進められている。

神々のテーマパーク 2013年の式年遷宮へツーリズム定着目指す

三重県伊勢市の観光関係者の呼びかけで2008年4月に発足した「おかげまいりブランド戦略委員会」(事務局・伊勢市)の取り組み。古来日本人に親しまれた「おかげまいり」に食や案内人など観光の要素を加えて地域ツーリズムとしての定着を目指す。09年秋からは、毎月1日の「朔日参り」を近鉄が商品化し、これまでの5回とも60人あまりが参加している。

おかげまいりは、江戸時代に始まった伊勢神宮への集団参拝で、宝永2年(1705年)には当時の日本の人口の5人に1人に近い400万人弱が参拝したと伝わる。300年後の05年には伊勢市などが記念行事を開催したほか、平成のおかげまいりや神宮125社めぐりのウオーキングイベントなども地域で実施してきた。

委員会では、かつて民衆がワクワク、ドキドキしたおかげまいりを復興し、その仕掛けづくりを「おかげの国」おこしと位置づけた。伊勢志摩エリアを"神々のテーマパーク"とし、「美し国」と形容される地域の食や風景をアミューズメントに見立てた。神宮125社で感じる参拝者の「おかげさま」という気持ちと、地元で自慢のアミューズメントをつなぐホストの役割を案内人が担うという構想だ。

例えば、伊勢市のボランティアガイドが鳥羽市を、鳥羽市のガイドが伊勢市について紹介し「点と点を結び、伊勢志摩を面に、つまり『おかげの国』にする」(同委員会)。エリア内の連携を深め、13年の神宮式年遷宮に向け、おかげまいりのブランド化につなげたいという。

近鉄が商品化した朔日参りツアーでは、外宮や内宮をはじめ別宮、斎宮などを地元ガイドの案内でめぐり、うなぎ丼や斎王弁当など特産の昼食をセットした。今春からも鳥羽市などで年6回のツアー催行が予定されている。

鳥羽の新しいご当地メニュー「とばーがー」 8店11種のバーガー人気

鳥羽の新しいご当地メニューが評判を呼んでいる。その名もそのまま「とばーがー」。伊勢エビなど地元食材を使ったバーガーで、2007年に市観光課と地元の飲食店が「鳥羽の食を手軽に味わってもらいたい」と共同で開発、08年に認定を始めて以来、じわじわと人気が高まってきた。

とばーがーの定義は「地元産食材を具材に使用していること」「注文を受けてから作ること」「鳥羽市内で販売されていること」の3つ。地元食材へのこだわりはもちろん、作り置きをせずにできたてを食べてもらおうという姿勢は、観光客にとってもありがたい。

認定バーガーは8店11種。具材は伊勢エビや潮騒ダコのほか、浦村カキ、加茂牛、めかぶ、サザエ、アジなど多彩で、なかには鳥羽みかんを使ったスイーツ感覚のものも。パールロード鳥羽展望台など各店がオリジナルのバーガーを開発、販売しており、250円―600円と手軽な値段で鳥羽の食の魅力が味わえる。認定バーガーは今後も増やしていくという。

鳥羽水族館のジュゴンをモチーフにしたキャラクター「トーバ」と「トパティ」も愛らしい。鳥羽市出身の漫画家、はっとりみつるさんがデザインしたもので、人気に一役買っている。

鳥羽市観光課では「バーガー目当ての観光客も増えており、問い合わせも多い。今後、鳥羽の新たな魅力として定着させたい」と話している。

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