風光明媚な湯の郷 静岡・中伊豆
静岡県伊豆半島の東海岸に位置する東伊豆町の顔と言えば、6つの温泉が形成する温泉郷。美しい海岸線、温暖な気候に恵まれた自然環境、豊富な海の幸など癒し、レジャーの要素が充実しており、旅の楽しみは尽きない。風光明媚で情緒豊かな温泉どころ・東伊豆の魅力に迫る。
6つの温泉と自然に魅力
東伊豆温泉郷は、北から大川、北川、熱川、片瀬、白田、稲取の各温泉が海沿いに点在。背後に天城山が控え、海と山に囲まれた自然景観が風光明媚な湯の郷の魅力を生み出している。
なかでも熱川温泉は、豊富な湯量を誇る東伊豆を代表する温泉地。まちなかには熱川の代名詞とも言える温泉を掘削した際の櫓が立ち並び、自噴する「噴湯」から立ち上る湯煙が温泉情緒を盛り上げる。
江戸城築城で知られる太田道灌が温泉を発見したと伝えられ、道灌像が立つ。まち中心部の櫓脇にある、温泉を掘り当てたことを感謝して建立したとされる「お湯かけ弁財天」像など、歴史的な見どころも豊富だ。
足湯が楽しめる「熱川ほっとぱぁーく」や、公共の露天風呂「高磯の湯」など温泉施設が充実。眼前に海が広がり、打ち寄せる波の音を聞きながら心身を癒したい。
温泉郷最南端の稲取温泉は岬に立地。初春のつるし雛まつりなど歴史文化と自然景観が独特の情緒を演出している。観光客は漁港で水揚げされる金目鯛をはじめとする海の幸に舌鼓を打つ。
そのほか、奇岩「ライオン岩」が目印の自然豊かな大川温泉、漁村の雰囲気が漂い、海辺の露天風呂が魅力の北川温泉、磯料理と豊富な湯量が自慢の片瀬温泉、川のせせらぎが懐かしいムードを誘う白田温泉など、温泉郷はバラエティ豊かだ。
熱川に南国が バナナワニ園
熱川バナナワニ園は、その名の通り、バナナなど熱帯植物とワニに出会える、熱川ならではの観光スポット。温暖な熱川にあって年中南国ムードが味わえる。
約1万坪の園内は、本園のワニ園と植物園、分園の3エリアで構成。ワニ園では温泉熱を利用して、ミシシッピーワニなど世界中の22種約200頭のワニを飼育している。ピラルクやオオサンショウウオなども間近で眺められる。毎週日曜に行われるワニのエサやりは迫力満点。
植物園にはブーゲンビレアやハイビスカスといった熱帯植物が咲き、アマゾンの人魚と言われるマナティーも。分園ではバナナやパパイヤなど熱帯果実のほか、ワニ、レッサーパンダ、ゾウガメなどが子どもたちの目を楽しませる。
開園時間は8時30分―17時で年中無休。入園料は、大人1300円、中学生以下650円。
東伊豆の旅に海産物は必須
東伊豆の海産物のなかでも稲取漁港に揚がる金目鯛は「地金目」と呼ばれるブランド魚。ぜひ味わいたい逸品だ。
各温泉地では様々な金目鯛料理を提供。ポン酢で食べるしゃぶしゃぶは、とろけそうな身がほどよく引き締まり、絶品だ。煮付け、新鮮な金目鯛のアラでつくるあら汁、刺身など様々な楽しみ方でどうぞ。
東伊豆から北へ車で20―30分にある「いろり海産」には、東伊豆をはじめ伊豆の海産物がずらり。金目鯛をはじめ新鮮な魚介が手に入るほか、加工品も豊富に並ぶ。
特に干物は金目鯛や真アジ、ムロアジなど10種類以上揃う。浜風にさらした天日干しで凝縮させた旨味は味わい深い。
足を伸ばしてワイナリーへ
東伊豆から中伊豆まで足を伸ばしてワインを味わう大人の旅はどうだろう。中伊豆ワイナリー「シャトーT.S」は、ワインの試飲から製造工程の見学までワインを楽しむ様々な要素が揃っている。
巨峰のふるさとと言われる中伊豆に建つ同施設は、300種類のワインを揃えるラウンジや醸造したワインが眠る貯蔵庫、蒸留所、ワイン工場などを備える。ブドウ畑が広がるロケーションも魅力の1つだ。
オリジナルのワインは購入でき、テイスティングも可能。レストランも4カ所あり、ワインとともに地元の食材を使った料理が楽しめる。