冬の飛騨路で幻想のイルミネーションに酔う 岐阜・高山
冬の飛騨高山は厳寒に包まれ、城下町の情緒溢れる町並みや周囲の山々が雪の白さに覆われる。毎年、各地で開かれるライトアップイベントは冬の風物詩。雪が灯りに照らされる光景は、寒さの中にほのかな暖かみを感じさせる。幻想的なイルミネーションで彩られた、飛騨高山ならではの夜を楽しみたい。
雪と灯りの競演 各地でイベント
高山市街地では、城下町の風情を残す三之町、二之町周辺の古い町並みが雪化粧するころになるとライトアップイベントが始まる。中心部からバスで30分以内のエリアでイベントが開かれるので、宿泊してゆっくりと見てまわろう。
宮川中橋周辺では2月28日まで、夕方からライトアップ。赤い中橋と宮川が雪とともに照らされる。飛騨民俗村「飛騨の里」では1月17日―2月28日、雪で白く染まった里内に灯りをともし、静かな農山村の夜に、白銀の世界と合掌造りの家屋のコントラストが映える。飛騨・世界生活文化センターは2月1日まで、10万個の灯りのイルミネーションが輝く。
奥飛騨が誇る芸術品「氷柱」をライトアップ
奥飛騨の寒さは厳しく、雪に覆われた樹林帯と凍りついた滝は自然がつくる芸術品そのもの。美しさはライトアップで一層際立つ。
新平湯温泉の名水「たるま水」の滝のライトアップは2月28日まで実施している。福地温泉では3月中旬まで、「青だる」と呼ばれる大きな氷柱を照らし出す。
秋神温泉では1月―3月の間、つららなどを7色のカクテルライトで照らす「氷点下の森ライトアップ」を開催。1月下旬―2月下旬は、道の駅・ひだ朝日村で氷の塔と雪のオブジェをライトアップする。
クライマックスとも言えるのが平湯温泉の「大滝結氷まつり」。2月15―25日、氷柱へと姿を変えた平湯大滝が光に照らされ、見る者を幻想的な世界へ誘う。
雪の白川郷 灯りで日本の冬演出
世界遺産・白川郷は、日本有数の豪雪地帯。一面銀世界となり、合掌造りの集落が雪に包まれる風景もまた、白川郷が持つ魅力の1つだ。
毎年恒例のライトアップは、今期は1月24、31日、2月1、7、8、14、21日に開かれる。17時30分―19時30分の間、和田家、明善寺、西側、かん町付近に灯りをともす。
毎年多くの観光客が詰め掛ける人気イベント。しんしんと降り積もる雪と合掌家屋が光に包まれる光景は、昔懐かしい日本の冬を思い起こさせる。
飛騨古川では「千本ロウソク」
飛騨市古川町で毎年1月15日に行われる「三寺まいり」も光にまつわる行事。寺や町内にロウソクの炎が揺れ、古い町並みが雪と灯りで彩られる。
三寺まいりは200年以上続く風習で、町内の円光寺、真宗寺、本光寺をお参りするもの。縁結びにご利益があるとされる。各寺に高さ80センチのロウソクが灯され、目抜き通りには高さ2メートルを超える雪像の大ロウソクが立ち並ぶ。瀬戸川沿いには千本のロウソクが揺らめく。白いロウソクで恋愛成就を願い、叶うと翌年に赤いロウソクを灯しお参りする風習があり、多くの若者が訪れる。