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笑顔、笑顔の奇祭 福井・勝山左義長に心震える(1)

12/04/12

まだ底冷えする2月26日、福井県勝山市を訪れた。小正月の伝統行事「勝山左義長」を見るために勝山商工会議所が主催するガイドツアーに参加させてもらった。山間の歴史情緒あふれるまちには雪が舞っていた。

「日本一」の真偽を確かめる

左義長は各地にあるが、勝山では「さぎっちょ」と呼び、歴史は300年以上。市街地各町ごとに櫓をたて、その上で町民が独特のお囃子に乗って独特の踊りを披露するというのが勝山ならではの特徴だ。「雪国の奇祭」とも言われている。

まちに繰り出す前、この祭りを見た著名な作家が「日本一の祭り」と評したという話を聞いた。その理由は「祭りに参加している人の顔がいきいきしているから」だそう。本当か確かめよう。

各町の櫓の上では太鼓を中心に町衆がバチを手に踊り、着物姿の女性たちが奏でる三味線や笛の音、歌が鳴り響く。色とりどりの法被を着た子どもたちは楽しそう。赤い襦袢を着た男衆はおどけたさまで。女性の踊りは明るくも妖艶だ。皆が飛び跳ねるように踊り、観客に笑顔を振りまく。

勝山左義長

笑顔で満たされる櫓の上。
寒さなど関係ない

見物客は櫓の上で繰り広げられる「地域固有のエンターテイメント」を食い入るように眺める。踊り手のおどけたさまに歓声と笑い声が響き、寒い寒いと身を縮こまらせながらも笑顔。心はあたたかなようで、休憩になれば次の町へ次の町へと移動していく人も多い。露店に群がる子どもたちやカップルは楽しそうに食べ歩き、雪が舞っていることも忘れさせる。

勝山左義長

小雪ちらつくなか、
子どもたちが櫓へ

(長池貴志)

笑顔、笑顔の奇祭 福井・勝山左義長に心震える(2)に続く

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