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雨も悪くない 伊豆・松崎町の吟行ツアーに参加

09/03/03

2月22日の日曜の朝、新宿から東名道の沼津ICまではスムーズで1時間半くらいだっただろうか。ここからがいけない。下道はいきなり渋滞で、国道1号線から136号線、有料道路の伊豆中央道に入っても渋滞は続き、昼食場所に指定されていた修善寺の少し先の食堂まで、沼津から1時間半ほどかかった。

渋滞は修善寺温泉あたりが一番ひどくて、たぶんあのあたりは有料道より一般道の方が空いていた。200円を2回払い、しかも時間もかかるんじゃ。都内では気の利いた幹線道なら、目的地まで首都高20分、一般道30分などと時間の目安が表示されていることがある。渋滞は仕方ないにして、このくらいの心配りならすぐにでもできるだろうに。東海岸も中伊豆も相変わらず伊豆の道路は不親切で、やはり週末は伊豆には近寄りたくないと思ってしまう。

昼食をとり、国道136号線を土肥方面に分かれると渋滞は一気に解消され、気分も軽い。ここから土肥、堂ヶ島を抜けて松崎町までは40分ほどだった。

松崎町へは、松崎町商工会が企画した「吟行句会モニターツアー」で出かけた。月1回、東京の高田馬場で開かれている知り合いの句会に参加させてもらうようになって2年。仕事ながら初めての吟行だった。

松崎町商工会では俳句によるまちおこしと観光アピールに取り組んでいて、昨年、第1回「花と浪漫の里俳句大会」を行ったそうだ。選者は大串章さん、黒田杏子さん、小澤實さんの3人で、俳句の世界では有名だそうだけど、3人とも知らない。3月最終土曜日には松崎町に3人が集まり、表彰式も行うそうだ。最優秀賞5句にはペア無料宿泊券が贈呈される。

句会モニターツアーに戻ろう。参加者は11人。皆さん、いずれかの句会に参加していた。この日は嘱目(しょくもく)といって、その日に見たものを題材に、午後の句会までに5つの句をつくることになった。
俳句で悪いことを詠もうとは思わない。だから、まちのいいところ探しに、俳句はぴったりじゃないだろうか。

句会の月曜日、松崎は雨が降ったりやんだりだった。半日、松崎のいいところを探し続けた。
 
「伊豆の長八美術館」に行った。「鏝で伊豆長が日本一」と讃えられた松崎出身の左官、入江長八の鏝(こて)絵が数多く展示してある。漆喰彫刻、漆喰芸術とも称される。「どうぞ鏝絵の繊細さを確かめてください」という具合に、受付の係員に虫眼鏡を渡された。海の絵では、船上で点のように見える人々が、虫眼鏡越しに活き活きと浮かび上がった。

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