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花がまちが人が映える 南木曽の春(1) 妻籠宿のまち歩き

11/03/22

欧米人のバッグパッカーが古い町並みを行き来している。不思議な光景。日本らしさを木曽路に感じたのか。谷あいのまちに春の陽光が注ぐのはもうすぐ。山の中だからこそ、花の鮮やかさが引き立ち、宿場町のちょっとした彩りが映える。長野県南木曽町でニッポンの春を見つけた。

江戸時代にタイムスリップ

江戸と京を結ぶ中山道六十九次のほぼ中間に位置している「妻籠宿」。江戸から数えて42番目の宿で、中山道と大平街道の追分でもあり交通の要衝として栄えていた。

明治以降は国道、鉄道が宿場をう回して開通したため寂れたが、かえってそれが全国でも稀少な町並み保存につながった。「売らない、貸さない、こわさない」と、1969年に住民自ら住民憲章を制定し保存と生活を両立させてきた。76年には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定、今なお住民が生活しながら、江戸時代にタイムスリップしたかのような町並みを維持している。

妻籠宿

妻籠宿は、保存と暮らしが
両立する町並みが広がる

宿場は距離約800メートル、保存地面積約1245ヘクタール。宿場内には1995年に復元された本陣、脇本陣奥谷、高札場、関所だった口留番所跡など、江戸時代の宿場の姿をとどめている。特に、脇本陣奥谷は国指定の重要文化財で、作家・島崎藤村の初恋相手の嫁ぎ先でもあった。本陣、歴史資料館と合わせた共通入館券は大人700円。保存運動の原点で、生活の場でもある寺下の町並みを歩くと懐かしさや安堵感を感じられるのが不思議。

妻籠城跡に登れば眼下に妻籠宿が一望できる。この地で、現在放送中の大河ドラマのヒロイン江の夫、徳川秀忠は関ヶ原合戦の勝利報を聞いたという。

京へ向かって次の宿場となる馬籠宿までは徒歩で約3時間。ちょうど中間点の一石栃(いちこくとち)立場茶屋で小休止。無料の休み処で、湯茶がサービスされる。4月下旬には、軒先にかぶさるように植わる八重桜が見ごろだ。道中、道標や案内板、洋式トイレなどの整備が充実しており、日本人に混じって中山道の街道歩きを楽しむ外国人が急増している。

妻籠宿

外国人にも人気の妻籠宿

妻籠と馬籠間では有料で荷物運搬サービスや、宿場を詳しくガイドしてくれる案内人も。問い合わせは、妻籠観光協会 電話0264―57―3123。

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