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富士山の魅力に+α "日本一の旅" 御殿場―小富士―湯河原

10/01/25

「雄大」「美しい」と、魅力を今さらここで讃える必要はないぐらい、富士山は日本の旅に大きな存在感を放っている。その富士を楽しむなら、自分なりの「日本一」の旅を求めたい。今回は新年を迎え、立春から春本番へと向かうこれからの季節、おすすめの"富士旅"を紹介しよう。富士の自然の雄大さを物語る断崖絶壁を訪ね、登山の拠点から富士の雄姿を眺め、箱根を越えて相模の小京都で初春の香りを楽しむ。そんな「富士+α」の旅はいかがだろうか。

眺めは御殿場、富士見十景 雄大な景観に息のむ

静岡県御殿場市は、西の富士山、東の箱根山に挟まれた高原都市。古くから富士登山の拠点、箱根観光の立ち寄り地として、観光に力を発揮してきた。

御殿場の名の由来は徳川家康の御殿にあり、古事記にもこの地が触れられている。保養地としても名高いが、歴史的にも由緒ある地だ。

御殿場観光を語る上で切っても切れないのが、やはり富士山。市内各所に「富士見十景」と呼ばれる展望スポットがあり、四季折々の富士の顔を眺めることができる。

富士登山道御殿場口を登ると富士のパノラマが目に飛び込む。澄んだ空気の中、双子山ごしに宝永山が眺められ、その雄大な景観に息をのむ。

長尾峠はハイキングに人気。富士・愛鷹連峰と眼下に広がる御殿場高原が清々しさを演出する。

一風変わったポイントがJR富士岡駅の「富士見台」。昭和期、汽車が急勾配に対応するため用いたスイッチバックの名残りが高堤防となっており、雄大な富士山の姿が一望できる。

そのほか、平和公園や乙女峠、御殿場プレミアムアウトレットの「夢の大橋」など、場所によって様々な富士の景観が楽しめる。富士登山と深く関わり、開山日には登山の無事を願う舞が奉納される新橋浅間神社も立ち寄りたい。

幻のグランドキャニオン 小富士近くに奇観

日本に幻のグランドキャニオンがあった―。富士山の東側、静岡県と山梨県の県境付近にある「小富士」東側山稜を下っていくと「富士山グランドキャニオン」が見えてくる。

数万年前からの噴火や土石流の堆積物が幾重にも重なり、断崖絶壁の景観を形づくっている。富士山の雪崩「雪代(ゆきしろ)」や流氷による侵食がつくり上げた長さ約300メートル、平均の高さ50メートルの崖は雄大で、そのスケールは圧倒的。目の前に現れた、太古からの富士の歴史、自然のエネルギーの強大さに、人は何を思うだろうか。

富士山グランドキャニオンへは、ふじあざみラインの須走口から。少し車を走らせて小富士に向かって歩くと到達する。

関東の奥座敷・湯河原温泉で梅を愛でる

富士山から箱根を越えると関東の奥座敷、神奈川県・湯河原温泉へ。温泉と自然がつくり出す景観と趣きは、明治期の多くの文人に愛されたように"相模の小京都"と呼ぶにふさわしい風情を醸し出す。1年を通じて比較的温暖な気候も魅力的で、立春を迎えるころには近づく春の香りが漂い始める。

幕山公園・湯河原梅林に立ち寄れば、そんな春の足音が間近に聞こえてくるだろう。幕山の山麓斜面に紅白4千本の梅の花が咲き乱れ、その香りがあたり一面を覆いつくす。例年1月下旬に花が咲き始め、2月中旬から3月上旬にかけて見ごろを迎える。

2月6日―3月14日には「梅の宴」と題して、様々なイベントが開かれる。初日のオープニングセレモニーの湯河原温泉・芸妓の舞で幕が開け、2月20日―3月7日には夜間、梅林をライトアップ。2月19、26日、3月5日は幕山一帯、梅林を歩くハイキングも行われる。3月1日の雛まつりイベント、アロマやかわら雛づくりなど多彩な企画も。

富士・箱根と組み合わせて旅する人も多い湯河原。初春は、日差しを受け甘い香りを放つ梅の花を目と鼻、そして肌で愛でよう。

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