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名峰で知る自然の奥深さ 北陸・白山

09/07/25

日本三名山の1つ、白山。石川、福井、岐阜の3県にまたがる2000メートル超級の高山は、高山植物や湖、火山独特の造形美などを有する自然の宝庫だ。夏は緑、秋は紅葉が鮮やかで万年雪とのコントラストが目に眩しい。加賀温泉郷や白川郷からも近く、北陸観光の大きな楽しみの1つでもある。登山に観光にと、清々しい自然と透き通った空気を求めて、北陸の名峰に足を運ぼう。

高山植物の宝庫

白山の山頂部は標高約2700メートルの御前峰、大汝峰、剣ケ峰で構成されており、夏場はクロユリやニッコウキスゲなど高山植物が咲き誇る。朝には雲海、鮮やかな日の出が眺められ、その風景は見事の一言。大小7つの湖など火山としての一面も持つほか、野生動物や山腹のブナの原生林など見どころは尽きない。

登山は石川、福井、岐阜県側から数々のルートがあり、その大半が標高2450メートルの室堂平に集まっている。御前峰の眺めが素晴らしく、高山植物も一帯に広がる。

白山の周囲には2千メートル級の山々が連なる白山国立公園が広がる。麓地域においても、白山連峰の雄大な自然景観が眺められ、見る人の胸を打つ。

その周辺では手取峡谷を勧めたい。手取川中流に急流でえぐられた絶壁が約8キロ続き、滝や新緑、紅葉など自然の造形美が楽しめる。国立公園北の白山比咩神社は全国の白山神社の総本宮。御前峰に奥宮があり、白山信仰の歴史を感じさせる。

近隣には山麓の白山温泉郷のほか、加賀温泉郷など温泉地が点在。世界遺産・白川郷とは白山スーパー林道で結ばれ、金沢や富山、高山などとも近く、北陸周遊に欠かせない観光スポットと言える。各地で宿泊、観光を楽しみ、白山で自然を満喫するといった奥深い旅を味わいたい。

健康長寿の料理「白山百膳」 山麓の食材を活用

白山は清らかな名水を生み、米や山菜など豊かな幸をもたらす食の宝庫でもある。白山麓の飲食店では、これらの素材を使った料理である地域ブランド「白山百膳」を提供しており、白山の自然の恵みが味わえる。

「白山百膳」は、石川県白山市の白山商工会・白山麓にぎわい創出事業実行委員会が誘客につなげようと昨秋から始めた。定義を白山麓の食材を活用した料理で、健康や長寿、オリジナリティにこだわることなどと定め、白山の水、旬の地域食材を使った「山のもんづくしの健康ごはん」として提供している。

地域の31軒の飲食店や宿泊施設が参画し、各店が趣向をこらした約50膳がラインナップしている。

山菜や岩魚、ゴリなどの塩焼き、唐揚げが楽しめる「手取川膳」や、地元産の固どうふをトッピングしたカレーなど多種多彩なメニューが揃う。各店ともそばや山菜、岩魚など白山の恵みをふんだんに盛り込んでおり、"白山を食べる"ようで味わい深い。

白山スーパー林道が片道無料 加賀、白山温泉郷が宿泊客対象に

石川県と岐阜県を結び白山周辺の車窓風景が楽しめる「白山スーパー林道」では11月10日の林道供用期間中、周辺の温泉郷に宿泊すれば、片道の通行料が無料になるキャンペーンが行われている。

キャンペーンは、石川県加賀温泉郷(山代、山中、片山津、粟津)、辰口温泉、白山温泉郷の参画宿泊施設約90軒に宿泊した家族やグループを対象に、林道の普通車片道通行料3150円を無料にするというもの。全車種が対象で、宿泊前に林道を利用した場合は宿泊施設で全額をキャッシュバックする。宿泊後に利用する場合は、宿泊施設で無料利用券を手渡す。

白山スーパー林道は、石川県白山市と岐阜県白川村間の全長33・3キロメートルの自動車専用道。車を走らせれば、ふくべの大滝やブナの樹林が車窓を流れ、途中の標高1350メートルの白山展望台では白山山頂の御前峰も眺められるなど、白山ならではのドライブが満喫できる。キャンペーンを利用し、温泉に泊まってゆっくりと白山観光を楽しもう。

例年6月上旬―11月10日が供用期間。通行時間は6―8月が7―18時(閉門19時)、9―11月が8―17時(同18時)。普通車の往復料金は4890円。

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